ホーム > 詩人の部屋 > 木菟の部屋 > 実は何もない

木菟の部屋


[21] 実は何もない
詩人:木菟 [投票][編集]



天秤は傾く

毒を持った皿 を 彼女は惜しげもなく 差し出した

魔法がかけられ完璧だった食べた誰か

愛だとか信頼だとかいらない 生きていけるのだと

冷たい目で 彼も共に光った

天秤は傾く より 重いほうに

最早天秤の存在は意味がない
世界だ人々だ

痛むことないならば酷く羨ましい

もっともっと何かを大切だなんて思うことなく決めることなく心、毒々しく重くあれば傾いたのでしょうか

仲間になれたのか

彼らみたいに 軽やかに唾を吐くみたいに 笑いあえたのかな

その実のところなど 価値は がらんどう

虹はかけられても がらんどうを信じて止まない

求めて止まない がらんどう 飾りたてても金を積んでも振れば音すら鳴らない

2011/09/25 (Sun)

前頁] [木菟の部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -