詩人:あいく | [投票][編集] |
二人の絵描きが
ライオンの絵を描いた
真っ白なキャンバスの
左下に一頭だけ
少し足りないな
と思った二人の絵描きは
それぞれ一本の線を描き足した
一人の絵描きは
キャンバスの真ん中
左から右へ横線をいれた
空と大地を描いた
一人の絵描きは
キャンバスの真ん中
上から下に縦線をいれた
檻と檻の外を描いた
只どちらのライオンも
立派なタテガミが
風になびいていた。。。
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悪魔は切り株に腰掛け
少年に言いました
「君は僕がいなければ
君が君の正しい事に
自信が持てないのだろ?
だから僕はいつも
ここに居るのさ」
少年は笑って答えました
「そこに居てくれると助かるよ
そこから動かないで居てくれると
ほら切り株に付けた接着剤
乾いたころだよ」
悪魔は切り株にくっついたお尻を見て
一つ舌打ちをしました
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僕のサンダル
片方が無くなってる
だから隣の人のを
片方もらっておこう
そうすると
隣の人もサンダル
片方無くなって
また隣の人から
片方もらっちゃう
そうすると
そのまた隣の人も。。。
。。。
いい加減にしなよ
誰かがサンダル取りに
行かなかればいけないよ
そうじゃない
僕が取りに行かなくっちゃ。。。
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僕の胸の真ん中に
空き缶が転がっている
何が入っていたのか
まるで思い出せない
匂いをかいでみたけど
何も匂いはしない
何が入っていたのだろう?
いや
これから何かを入れなければならないのか?
こんな空き缶を皆が胸に持っているのだろうか?
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人生をまっとうして
永久(とわ)の眠りにつくその前に
「これだけはやっておかなければ」
と言う事があるとすれば
隠してあるエロ本の始末だけに
しておきたい
例え何歳(いくつ)で
その時をむかえるにしても
毎日を敬虔に懸命に
生きてゆかなければ
そうある事は出来ない
ジョーはちゃんと始末していったのかな?
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夜風がとんがって
肌を刺す冷たさを
含んでくると
気澄みわたり
月の光は冴えを増し
私の行く道を照らす
暗かった夜道
独りで歩いていると
勘違いしていた
三人いるじゃないか
私と月と
そして私の影と。。。