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あいくの部屋


[1048] ヒルコの見る夢
詩人:あいく [投票][編集]

彼の者のヒモのような手足でわ
物を掴むことわ出来ず立つことさえままならぬ
まともな食べものを得る事わ到底望めない
左様にあっても彼の者わ地をはいずりまわり
腐り落ちた果実を探してわそれを食み
息絶えた腐肉を見つけてわ蝿を払ってそれを貪る
そして巡り行く日々を生きながらえるのだ
例え我が彼の者であれば果たして
その様にしてまで生き続けようとするであろうか
彼の者に我の誇りも尊厳も当たらぬのだ
ならば解らぬと言う他に何があるだろう
ただそれわ我が知らぬからである
彼の者が見る夢を我が知らぬからである
我も我の見る夢を思うて生き続けるのだから。。。

2011/02/08 (Tue)

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