詩人:赤坂 菜葉 | [投票][得票][編集] |
車の中で
冷たくなってた
アナウンサー
病と闘い
最期まで歌い続けた
ロックンローラー
1週間
気付かれないで
孤独死した女優
失意のうちに
ベッドで永遠の
眠りに就いた政治家
もう音楽で
やることがないと
自死したミュージシャン
忘却の城で
気高く介護され
力尽きた老女優
いくら書いても
足りないけれど
知ってしまった以上
あなたたちの事を
わたしは忘れない
去り逝く人たち
記憶に刻みながら
生まれてくる
知らない人たちの未来が
わたしには見えない
車椅子で
富士山の頂上を目指す
あなた
砂時計のように
可能性が
刻一刻少なくなってく
天候はあなたに
味方しなかったけれど
諦めないあなたが
わたしに希望の灯を点す