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明石家3万円の部屋


[12] 『晴れときどき砲弾』
詩人:明石家3万円 [投票][編集]

いい天気だ
砲弾が降った日は
一寸先を物語る
俺の頭に
虫の知らせにも似た
警報が鳴り響く
晴れのち爆弾

巨大なキノコに
襲われて喰われた
胃液で溶かされ
某詩人H氏に冒されて

黒い雨が降る
誰かの憎しみか
それとも悲しみか
磁石が狂うように
異常気象なのか
みんなわからずに
ひたすら歩き始める
何かを求めて
何から逃げるのか
それよりも何も
妹は無事なのか
俺は生き残れるのか
晴れのち爆弾

<暗転>

こんな天気でも
絶対に
さしはしないと
わかっていても
兄に傘を届けたくて

黒いぬかるみに
足を捕られ
倒れると
水溜まりは
チョコの香り
晴れのち爆弾
時々傘が降るでしょう

落下傘で運ばれた
落花生から生まれたふたり
兄が私一人に
かぶせてくれた殻は
砲弾がスルリと
通り抜けてく
まるで影絵のように
私を守ってくれる
晴れのち爆弾
所により綿毛が降るでしょう

何の役にも立たないとわかっていても
早く傘を届けたくて
雪だるまの人波を
押し退ける
晴れのち爆弾
天気は次第に
回復に向かうでしょう



【キャスト】
代表…明石家3万円
共作…りんくす
アレンジ…マナ
協力…左遷&パンティ
   ーズ
非協力…ヤコペッティ
    ーズ
参考…詩人の輪会

2004/08/06 (Fri)

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