詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
肩を叩く
椅子を引く
教科書を奪い取る
くすぐる
鞄で叩く
黒板に君の名前を落書きする
いじわるするのは、なんでだとおもう?
きみは嫌がって笑うけど
僕は君と笑うのが楽しいから
ねえ、なんでだとおもう?
きみのことすきだからだよ
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ひゅうひゅうなる風
耳が赤くて冷たくて
手の先が冷たくて
マフラーに口を埋める
コンクリートを踏む
白いブーツ
足元に溶けた雪
ケータイのボタンを
押す指が悴んで
ゆっくりになる
もしもし
ねぇ
寒いからさ
今から
行っても、いいかな?
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一日の終わりに、
ピンク色のマーカーペンで、
日付にバツをつける
あと3個!
ハートマークまで、
あと3個!
早く、早く!
もう少し!
あと3日!
3日で、きみの誕生日だ!
(( わたしにとって、なにより楽しみなんだよ! ))
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
今日こそは
今日こそは一言
一言でいい
あのこに、声、かけよう
ぼくよりずっと前を歩く、あのこ
別に不自然じゃない筈だ
今日こそは
今日こそは一言!
あのこに話しかけよう
おはよう、って
それだけのことだ!
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
どきどき、する
手に握った紙切れが、ぼくの運命を左右する!
クラスメイトが集まる黒板を、睨んで、
ゆっくりゆっくり、紙切れを開く
斜め前のあのこをちらりと見て、
後ろの奴に見られないように、
顔に近づけて、ゆっくり開く
どきどき、する
どうかぼくが、あのこの隣でありますように!
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
お気に入りの赤いマフラーを
君の部屋にわすれてきたのは、
もちろんわざとで
君が届けてくれると思ったから
寒さで震えてるわたしに
走って
名前を呼んで
わたしのところまで届けてくれる
きみが追いかけてくれるのが
わたしには少し嬉しいことだったから
わざとわすれてくる
ほらまた
名前を呼んで
「待ってよ、わすれもの!」
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
こんなちっぽけな、ちっぽけな機械に
運命を左右、されたくないのに
ないのに、わたしは
こんなちっぽけな機械に頼る
手にすっぽりと嵌る機械に
機械と言うのすら違和感がある、
機械に頼って、君とはなす
声なんて聞けないけど、君と、はなす
たまにしか、ほんのちょっとしか逢えないから
いつも、こんなちっぽけな機械で、
必死に、きみとはなそうとする
満足なんてできないけど、
こんなちっぽけな機械で、
きみと、わたしを、繋げようとする
はなしたいから
はなしたくないから
話したいから
離したくないから
きみがわたしから遠ざかりそうだから、
必死に言葉で繋ぎとめる
わたしには、これが必要だから
このちっぽけな機械がないと、
きみとわたしを、繋げないから
きみはそれにも応えてくれない、時もあるけど、
きみは繋がりを拒否しないから
これだったら、こんなちっぽけなものなら、
きみは嫌がらないから
わたしは、こんなちっぽけな機械で、
きみと、わたしを、繋ぐ
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
目覚まし時計と
携帯のアラーム
時計を叩いて
携帯を開く
薄い毛布を被ったまま
思い切り
伸びをする
開けっ放しのカーテンから
柔くそよぐ風
開けっ放しの窓から
柔く洩れる光
ああ、今日も朝が来た
詩人:礼宮月過 | [投票][編集] |
風に揺られたカーテンから
花びらが一枚
あなたの瞼に舞い落ちる
わたしはそっと花びらを掬う
ふわりと風
あなたの前髪が揺れる
わたしはそっと
あなたの髪を撫ぜる
おやすみなさい
愛しいひと