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アルの部屋  〜 投稿順表示 〜


[49] Here&there
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銀色に
凪いだ湖面
微睡むように
夕暮れの風は
寂しさの吐息

波音は
悠久に刻む
時の足音
夕闇に瞬く星
孤高に耐えて

遠くから
聞こえ来る
笑い声
空気を切り裂く
ロケット花火


喜びも哀しみも
いつか過ぎ去り

浜辺を洗う
波のように
寄せては返し
繰り返す

きみは彼岸に
ぼくは此岸で

記憶の中で
生き続ける
その川を
渡るまでは

2006/07/16 (Sun)

[50] あめのてまみ
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ぼくが怠けると
みんな
生きてけないのに
不満ばっかり
言うんだね
テキトーになんて
ぼくの力じゃ
ムリなんだ

哀しくて
悔しくて
涙が湧いてきた


でも…

ぼくに濡れて
風邪引いちゃうね
ぼくのせいで
お家潰れちゃったね
たくさんの人が
死んじゃった


切なくて
辛くって
涙が止まらない
ごめんね
ごめんね

2006/08/10 (Thu)

[55] オンリーロンリー
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バチバチ弾ける
青いネオン管
月の見えない夜に

何を求めて
ロンリーウルフ
裏街を彷徨い歩く

死角を殺めて
監視するカメラ
逃げ場のない街で

何に焼かれて
ロンリーウルフ
酔い潰れる裏通り

クサい物には
フタをして
理想を現実で
塗り潰して

諦めは
野垂れ死にの
レクイエム

2010/02/17 (Wed)

[56] Mt.Fuji
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自分の足下は
一番遠くて見辛い

自分の脳味噌は
人のと繋げられない

鏡で眺められるのは
自分の外見ばかり
それさえ反対に映る

一瞬で過ぎ去る
電光掲示板の
文字のように
流れてく感情を
とりとめもなく
読んでいる

自分を一番
判ってないのは
自分だった

ぼくらの目は
近くをずっと
見つめるようには
作られていない
疲れてしまうから

日本一の山も
登ってみれば
赤茶けた
ガレキの山だった
だから
日本一キレイに
見えるんだろう

2006/08/03 (Thu)

[57] こまいか
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小数点以下を

切り捨てて

判ったつもりに

なってる

空が青い理由は

知ってるけど

なぜ心が曇るか

という設問の

その解き方さえ

僕は知らない

2006/08/10 (Thu)

[58] なめくじら
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必要な人を
失う度に
迷路は増えて
経験は
地層のように
重なってはくれない
三半規管は
チリチリと
スパークしたまま
バランスがとれない
体を伸び縮みすれば
歩けることは
知っている
遥かな大地で
辛うじて
繋がっているという
途方もない
想いだけが
塩で溶けかけた
ナメクジの動力源
かたつむりには
なれない
背負うべき
殻が退化するなら


2006/08/29 (Tue)

[59] 誰と何
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「誰が言ったかより
何を言ったか」

バーチャル世界の
金科玉条。

しかし

「その花はキレイだが
その花について知れば
もっと好きになる」


そこには質の転化がある。
キレイから好きへ。

つまり

客体を目で捉え
その主体を問えば
物に移るものがある。

亡き人が
踏んだかも知れない
と思うだけで
ただの砂利石が
大事な形見となる。


内容という器に
収まり切れずに
溢れくるもの。

「何」の向こうに
必ず「誰」がいる。


だから「誰が言ったか」
の方がいい。
それに
「何を言ったか」があれば
もっといい。

2011/07/10 (Sun)

[60] カタジケナイ
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答えを
知っているみたいに
当たり前に
夜は明けるけど
ヒントも暮れずに
朝日は昇る

出口を
あらかじめ用意して
トンネルは
闇を装うけど
暗さに慣れた頃
明りが見える

何もかも面倒臭くて
何をするのも億劫で


やんなきゃ
終わらない
知ってるけど

演んなきゃ
始まらない
震えてるけど

嫌なキャット
ニャンニャン
増えるけど

何ひとつ
片付けなくて
カタジケナイ

2010/01/02 (Sat)

[62] キオクノオト
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すべて残して
たった一人で
逝ったのに
残りの人たちは
大勢でしかも
何ひとつ捨てない


書くほどに
減ってゆく
ノオトの白いペイジ

書き手のない時間は
生き場を失って
そのぐるりだけ
流れるのを止めた
639日間

乾いた川を潤す
記憶という名の雨が
ぽつりぽつり
でも、もう再び
瀬音は聞こえない

キオクノオト

2007/04/22 (Sun)

[63] Nothing
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希望も絶望も
無も無限もない
あるのは浮遊する粒子
個が全体で全体が個
君が僕で僕が君
置き換わってゆくばかり
他には何もない
喜びも哀しみも
風のように
ただ吹き抜けてゆくだけ

2009/12/21 (Mon)
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