詩人:アル | [投票][編集] |
《ライバル・善田》
善田さん…。
あ、ユキさん。
なんだ、ぼくの名前
知ってたんだ(笑)
ごめんなさい。
昨日まで
知りませんでした。
どう、アイツと
仲直りできた?
はい。
…と言うより
あれは、わたしの
一方的な誤解ですから。
善田さんは、主任とは
古いお付き合い
なんですか?
うん、天野とは
大学は違うけど、
中、高と同じで
一緒に剣道やってた。
主任って剣道
強かったんですか?
ああ、ぼくは
天野と勝負して
一度も勝てた事がない
…剣道でも勉強でも
天野は常に
ぼくの前にいた。
ぼくは
天野の背中追いかけて
ここまできたんだ。
『ぼくと
真剣勝負しない?』
って…。
え?、
なに、それ?
いえ、
主任が前にあたしに
言ったんです。
『木刀・真剣勝負・竹刀』
ああ…(笑)
面白いな。
でも、
それ、天野なりの
ユキさんへの
プロポーズだった
んじゃないかな?
アイツ照れ屋だから、
ストレートに
言えなかったんだよ。
……。
ユキさん、何も
答えなかったんだ?
ええ…。
本当に
好きな人の前では
急に不器用になる。
真剣になればなる程ね。
男ってみんな
そんなもんだよ?