詩人:アル | [投票][得票][編集] |
嫌いにさせてくれて
ありがとう
むかし投げられた
そんな台詞を
ときどきフォルダから
取り出してはコピペして
てのひらに乗せて
ぼんやり眺めてる
日付と時刻の
タイムスタンプ
boldで打ち込んで
たった数行の日常を
凍結すると
また今日によく似た
明日がやって来る
歳月が踏みつけ
ペタンコになった
切なさ折り畳んで
上書き保存を繰り返す
読み上げ機能使って
聞くそのコトバは
無機質なデジタル音で
もうきみの声には
1ミリも似ていない
嫌いになれなくて
ごめんね
賞味期限切れの
枯れかけた言の葉が
枝先で落ちるともなく
風に吹かれてゆらゆらり