気の花が散って心地に迷い降りる垂れ込めて月の在処も知らぬまま夜だけは老けてゆく病に青を帯びて東雲の空に曙光が兆すから何度眠れぬ夜を過ごしても再生の朝に甘えて直ぐにその深さを読み違えてしまう漕がなくても風に波立つ流れは弛むことなく頼りな気なこの舟は無抵抗に運ばれて川下の向こう滝壺の予感に震えつつ無作為を貪り続ける
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