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アルの部屋


[82] 花散る
詩人:アル [投票][編集]


気の花が散って
心地に迷い降りる
垂れ込めて
月の在処も知らぬまま
夜だけは老けてゆく

病に青を帯びて
東雲の空に
曙光が兆すから
何度眠れぬ夜を
過ごしても
再生の朝に甘えて
直ぐにその深さを
読み違えてしまう

漕がなくても
風に波立つ流れは
弛むことなく
頼りな気なこの舟は
無抵抗に運ばれて
川下の向こう
滝壺の予感に震えつつ
無作為を貪り続ける

2010/03/10 (Wed)

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