詩人:アマネ | [投票][編集] |
君が呼ぶ名はアタシではなく
アタシが呼ぶ名も君ではなかった
それでも確かに体温は繋がり
君の熱はまだ胸に残る
首を絞める特異な関係は続かずに
それでもアタシは君が好きだと笑った
呼べなかった名前を今更何度もなぞっても
意味など無く霧散する
君に呼んで欲しかった名は、。
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伸ばした先の 光なら消え 闇は続き
五感擽る真実は 虚無の嘘へと誘う
甘ったるい梔の香りは
口無しの死人の手招き
払い退け辿った煙は
ピリピリと 舌先に鋭く
覚醒を助長させて 蝕む紫
確かなものを選ぼうと
曖昧に並べる言葉 惑う心
叶わず 応えぬ 声を待ち
幾日も 繰り返すは愚考
「温もりなど 知らなければ 望まぬものを」
と 呪えども
知らぬを知るは 業の環
放った熱は 残らずに
発した声は 響かずに
ぼやける輪郭なぞるのならば
「ただ君よ、不幸あれ」と
笑うて生きるだけの事
ただそれだけの 滲むは命
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永遠の夢 叶わぬ熱に 恋い焦がれ
冷たく深い 底にて眠る
土の胎内 聴こえる鼓動 業の声
揺さぶり起こされ 痺れる手足
暑き夜の 隠れし月へと 身を捩り
割る躯にぞ 心残らん
夏待たず 鳴いた空蝉 風に揺れ
光求めて 土へと還らん
夢現 醒めるのならば 太陽に
近づく夢を 抱いて眠らん
羽根がもげ 堕つるは現 夢の世の
無き光とて 今は恋しや
亡き心とて 今は哀しや
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嘘を吐く口元は笑み
強がりを繰り返す電話越し
君の声が聴けただけで
グラリと目眩がするほど嬉しい
崩れそうな心を繋ぐ強がり
「大丈夫だよ」
ホントは君に縋りつきたい
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指先から輪 歪んだ輪郭
正しき姿 揺れる影
甘い嘘に 口元歪め
笑う水鏡 溶かすは水面
映る君は遠き想い出 月明かり
光を頼り 手を伸ばし
指先に触れる 水は冷たく
揺れる水鏡 笑う水月
己の姿を 水に問うては
なぞり整え 歪める望み
君の姿も 声も 熱も
何もかも幻想だというなら
何も、
何も
見えるはずなんてない
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命は灯り 命は消える
さながら蛍 夏の夜の現 リンの青
不安は光り 不安は陰る
甘い香を辿り 行き着くは世の夢 人の熱
光りを探し 光りからあぶれ
求むは熱き 毒の蜜
重なる残像 光る命
違えた約束 紫煙の糸
吐息で消える 儚き願い
さながら蛍 灯しては消える 凛と赤
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彼氏との距離を訊く君は卑怯だ
別れたってアタシと君の関係は変わらないのに
元カノの事を話す君は非道だ
思い出に嫉妬しても勝ち目なんてない
じらしてアタシの言葉を待つ君は本当に意地悪だ
ただ一言なのに胸が詰まってどもってしまう
それでも君と繋がれるのならそれで良いと
アタシはいくら君を睨んだって
やっぱり好きだと思い知る
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決して当たり前なんかではないその体温を
重ねてはずらす狭い部屋
君はアタシと居ると楽だと笑ったけれど
君はアタシの胸に秘めた
酷く醜い欲望を知らないから
「アタシも」と口元だけ笑って背を向けた
二人乗りの自転車
しがみつく背中の温度が遠くなる
頼りない次の約束を
「またね」とかわす改札口
君が好きだからこそ
楽でも幸せでもないアタシは
家という日常に着くまで
どんな顔して帰ればいいんだ