詩人:おるふぇ | [投票][編集] |
たまに泣いて
たまに休んで
たまに転んで
たまに迷い道
ふと思う
人間の歩く道は
まっすぐじゃないって
右に行ったり
左に行ったり
ふらふらして
揺れながら
一進一退
そんなふうに見えても
時が流れるように
私も進んでいるんだ
心が何かを訴える
よく聞いてごらん
何て言ってるの
不安かもしれない
悲しみかもしれない
恨みかもしれない
苦しみかもしれない
心が何か感じている
それをもっとよく
感じてあげてごらん
霧が晴れるまで
もやが取れるまで
誰だって輝きたいんだ
そして心の旅を続けるんだ
でもあなたからは見えないかもしれないけれど
あなたは今でも輝いてるということ
輝きがあるということ
輝けるということ
今のままでも愛されている
それがないと
生きていけないから
あがいてるわたし
もがいてるわたし
自分が嫌いなわたし
それを全部
運命のせいにしてた
その時点で
終わっていた
負けていた
わたし何になりたいのだろう
いつも笑っていたかった
いつも幸せでいたかった
あなたは素敵
宇宙から授かった命
そこに宿る魅力
現実や社会に
いつのまにか
擦り減らして
忘れていった
あなたは素敵
今も
今のままでも
背伸びしなくていいんだよ
仮面をつけなくていいんだよ
背伸びしてる時のしかめ面
仮面をつけた時の合わせた顔
決め事や思い込みを外そう
どんな世界が見えるだろう
恐る恐る扉を開けると
何かちょっと違う景色が
広がるかもしれない
詩は未来
そう
今じゃないんだ
自分で書いたこと
いつか自分に返ってくるよ
それを全部受け取って
またその詩を
未来へ放るんだ
言霊や言の葉
そのパワーが
未来を創造するよ
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優しい人へ
あなたは人より
感じやすくて
人より
傷つきやすい
けれどその分
人の痛みを理解して
思い遣ってあげることができる
優しい人へ
あなたはきれいな心の持ち主で
いつも汚れ物の後始末ばかりだね
あなたはいつもまっすぐだから
ささいなことにつまづくね
あなたはいつも人に優しくして
また沢山の優しさをもらうね
優しい人へ
世界中があなたみたいな人だったならと
時々思います
あなたはたまに涙を流して悲しむ
世界中の痛みが心を痛めるから
世界中の辛さが心を辛くするから
優しい人
それでもあなたはまた誰かや何かに優しくして
自分のことよりも
思い遣り気を使うんですね
優しい人へ
たまに辛そうに笑うのを
わたしは見逃していました
あなたは優しいから
あなたにはもっと
優しさが必要なんだ
あなたに優しくしてくれる人は
どれくらいいますか
優しい人
あんまり無理して
自分を壊さないで
あんまり抱え込んで
心の風船を破裂させないで
優しい人へ
優しい人へ
たまにはこっちにおいでよ
ミルクティーくらいは
出してあげられるよ
あなたの与える優しさが
世界を優しくしてくれる
たまには何も考えず
ぼーっと心を休ませて
優しい人
きっとまたあなたは必ず
人に優しくするでしょう
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風そよいで
丘から見下ろす
景色はパノラマ
建物や植物
自然や人工物
そこに
橙がこぼれて
反射する光が
感動に染め上げる
とらわれのない心で
生きて
とらわれのない言葉で
詩が書けたなら
遠い星を巡り
大気を揺らして
やってくる風
小さな体を通り抜け
あなたにも伝う
宇宙とシンクロして
暦の中で呼吸して
長い深い旅の上
点在する星の絵
人生を織り成して
あなたに逢いたい
一心で
筆を執り墨を塗る
一心で
夕凪が頬をかすめ
緑色の葉を揺らす
たったの宇宙の一地点
抱き抱かれ
命は紅く
陽から注がれる光の
絵の具に洗われる
オレンジの粒が
琴線を弾くように
奏でてみたい
想いの丈を
まっさらなパレットに
愛しさの色を混ぜて
宇宙の風
久遠からの光
哀しく
切なく
待つ人よ
たおやかな海
なめらかな空
一心は
強く
深く
絆を求む
この丘で
流した涙は
遥かな地下へ
流れ溶け
雨となり
緑となり
あなたへの
恵みへと巡り
感情はこの宇宙
あなたの来ない
丘の上
夕凪に乗り
どこまでも
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今は未来が見えなくても
灯す光をひとつふたつ重ねて
やがては荒野に明かりが照らされますように
あなたの故郷の息吹
完全にまだ
途絶えたわけじゃないから
………一人はみんなのために………
………みんなは一人のために………
今がひとつになるために大切な時なんだ
少しだけかもしれないけど
元気を分けるよ
勇気をあげるよ
何かのお役に立てたなら
亡くした命の分まで
強く生きていけるように
何年かかるかわからない
呆然と眺めた瓦礫の廃墟にも
やがては遠い野原から
風に乗った綿毛が舞い降りて
たんぽぽの花が咲くのかも
まるで春のような活力が蘇るのかも
あなたの生まれて育った町がそうなるように
時間をかけて
ゆっくりと
少しずつ
ゆっくりと
少しずつ
新しく生まれ変わるよ
春の息吹を感じて
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踊り場から
太陽が出るって
いう話
聞いたことあるかい
なんのこっちゃ
熱でもあるのかい
心配されても困るけれど
踊り場から
太陽が出る
そういう話
最後まで
黙って
聞いてくれるの
君だけかな
くすって
笑ったあと
二人は
風になった
キスでもしながら
さっき
頬をかすめた
その風に
なってしまったのさ
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底に
見える
薄暗い
底に
鬼
持てない
希望を
集中力の
持続する限り
天に
探して
底に巣食う
鬼がいました
底に
見える
顔だけ
見える
鬼
永遠の雨に
体を冷たくして
恐れられる
鬼
嫌われる
鬼
葛藤と苦悩が
覆い尽くすかのような
深い樹海の底
鬼は
太陽を
探して
探して
光を
探して
ないものを
あるかのように
そしてまた
探しました
鬼が死ぬのは
独りの刻
蒼い月が
弱く優しく
誰もいないよと
誰かいないかと
死ぬ刻を
見守るように
誰も
知らない花を
見つけた刻
泣いてるように
見えるのです
気のせいですか
あなたは
必死に
生きて
泣くに泣けず
濡れた胸
最期の月の
優しさに
溢れていくのを
誰もの魂が
震えた刻に
“悲しい”と
鳴って
響いて
それは
千億年の
鬼の孤独
だったんです
だったんです
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日常が
赤く爛れて
燃えていく
プリズムは
弾け飛び
あなたの胸に
飛び込む
光は無限
優しい笑顔が
記憶に霞み
現実が淡々と
進行していく
掴みたかったもの
もうないんだよ
(なくていいんだよ)
あなたの寝顔が
隣にあるだけ
(それでいいんだよ)
夢か悲しみか
わからなくなる暮らしさ
情熱は消えずとも
痺れの抜けない感覚に
美しさは
蜃気楼のように
イメージの
彼方に
消ゆ
軽く
リキュールで乾杯して
今夜を祝おう
音楽は
ピアノだけでいい
あげつらえたものは
邪魔になるだけ
日常が
赤く爛れて
燃えていく
あなたの
マニキュアの
色のように
鮮やかに
命あるもの
それらをすべて
彩るように
真夜中を行進する
銀河交響楽団に
懐かしい景色を見た
すべての感覚を超越して
細胞は進化する
およそ計り知れない
(その必要のない)
馴れ親しんだものの
果ての先
あなたの横たわるベッドに
懐かしい景色を重ねて
見えなかったものを
開こうとする
愛の消えた街
(愛は永遠)
わたしの遺伝子は
宇宙の馴れ初めに
染めて染まり
愛の消えた街
(愛は真実)
あなたの中に見る愛
わたしの中にある愛
もうどうでもいい
それがあれば
(何もないけど)
もうすぐ太陽が昇る
幻は幻のまま
日常は
赤く
赤く
赤く
爛れ
燃ゆ
プリズム
( あなたを一人に
などしない )
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呼吸の仕方
を忘れた頃に
また出逢えるだろう
疚しい考えなど
ない
ほら
未来は
お前のもの
古い形を脱ぎ去り
また
新しい森羅万象を
生成する
昔
絵を描いた
デッサンの山
物置の奥に
埃に塗れ
追いやられ
あの青春の
日々に描いた光
それは今
どこを
輝かせているのか
祭囃しのような
時代は過ぎて
現代の意識は
象徴のない
模索の最中
憧れよ
涙を超えて
嵐を過ぎて
再び
燦然と輝け
夢に及ばず
勇み足で
よろめいて
果てしないロード
糞っ垂れと
叫びながら
愛を汚し
狂気の酒に
遊び耽り
人の哀しみ
人の世の唄
我が胸で
熔けよ
悪魔のような
残忍な永い唄
その次元をも
我等は
超える術を
携えて
切り裂いて
まどろみの境界を
この手足は
確かな光への
変容へと
促すであろう
若人よ
恐れを知らぬ
勇者達よ
この
果てしないロード
駆け抜けよ
感じよ
伝う熱の
命の確かさ
尊き重み
この手で描いた
光の設計図
それを
我は
夢と呼ぼう
色褪せぬように
色褪せぬように
また出逢える迄
また出逢える迄
その時は
新しい呼吸が
ゆっくりと
膨らませていく
御胸の中心に
誇れる設計図
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聞こえますか?
聞こえますか?
あなたには…
さざめく波のように繊細な
そよぐ風のように微かな
その声
あなたには…
聞こえますか?
叫ぶこともできずに
ずっと堪えていたんだ
忘れたふりをして
深い闇の奥底に
置き去りにしたんだ
全部が全部を
なかったことにして
わたしであることの
わたしの痛みを
優しいふりなら
いらなかったよ
ただ徒らに
弄ぶだけ
わたしの声
わたしの声は
そんなところには
なかった
日の光射す窓辺に
横たわって
ずっと
眼を閉じていた
聞こえないふりして
隠していた傷の正体
いつからか?
どこからか?
なぜなのか?
そうやって
ひとつひとつ
そっと
ゆっくりと
紐解くように
包むような
仕草で
ずっと
待っていた
わたしは
わたしを
こんなところに
いたんだね
今まで
ごめんね
泣くに泣けず
身を震わせ
硬く護って
愛してやれず
ごめんね
ありがとう
初めて見せてくれたね
そんなに安らかな表情
また出逢えたね
一緒にいようね
わたしはわたしを
癒してあげたい
それは愛として
時空のない魂の記憶
生まれる前から
待っていた
わたしの
笑顔と等しく
流れる
浄化としての涙が
綺麗に鮮やかに
きらめく今
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誰も見ることがない景色をただ
心臓の奥に抱えたままで
死ぬことを
許して、マザー
生きることを知らないまま
涙を渡って著作権のない書物の上を
どこまでも走ればいい
これは死なんだと
諭されて気づいた時は
もう遅いのでしょう
マザー、マザー
どうして産んだんだよう、と
背中を叩いて
傷ついて傷つけてきた
言葉が突き刺さる
この心臓は
暗闇でも鳴るんだと
誇らしくピエロが
淋しそうに、悲しそうに
話し掛けるんだ
夢の中
生命
(家族という川を流れてきた歴史)
生命
(幸不幸の物差しが魂の純化を妨げる)
すべてを
壊したくなる瞬間の衝動
うん、
よくわかるよ
うまく、
飲み込めないんだ
けれど、
掴めばいい
差し延べられた
手
それは、
幻とは違う
愛、光、叡知
血液が全身に運ばれる
マザー
元気に生きていきます
それでいいでしょう?
愛してると
何度も言うあなたよ
こんな僕のことですら
なぜに優しく
包むのですか
あなたに包まれ
聴いた美しい音が
静寂の部屋で
何度も
僕を許してくれた
どんなありがたい話よりも
何倍もの説得力を持って
マザー
この年になって
泣けるのは
あなたの前だけです
すべてを懐かしく
許してくれた心の音