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おるふぇの部屋


[35] MY TOWN 〜梅の花、薫る町から〜
詩人:おるふぇ [投票][編集]

僕の町に梅の花が咲きました。

一年前とも
五年前とも
十年前とも
同じ梅の花が咲きました。

それを見たさに
集まる人達で
公園は賑わいます。

綺麗で可憐な
梅の花の咲く季節
その香りは芳しく
鼻先をくすぐります。

この町が好き。

近年、
郊外にできた
大型のショピングモール
便利だから僕も
よく行くけれど
その影響からか
市街地は人を呼ぶのに
悪戦苦闘、四苦八苦です。

一年前は
五年前は
十年前は
もっと活気があり賑やかだったメインストリートも
今ではシャッターを降ろした店舗や
テナント募集中の物件が
目立つようになってきました。

これが時の流れ
仕方ないのです。

そう割り切れれば
収まるはずでしょうに。

なんかすんなりと
そう単純に思えないのです。

この町が好き。

町を離れた数年間
その時にはじめて
この町の良さを知りました。

戻ってきたこの町の景色は
変わったところと
変わっていないところとが混在してまして
懐かしさと新鮮さで
僕は複雑な心境になったものです。

あの田んぼには
アパートが建ち

あのコンビニは
エステになり

あの本屋さんは
店を閉めてしまい

あの川や
あの湖や
あの橋や
梅の木の
芳しさは
昔のまんま。

表情を変えても
この町は
僕にとっていつまでも
生まれて育った町ですから。

またいつか
元気を取り戻す日が来ることを
この胸にそっと
願うのです。

2011/02/27 (Sun)

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