詩人:おるふぇ | [投票][編集] |
さよならと手を振った駅
あの人の笑顔はずっと
優しかった
トレイン
僕、ここでいいから降ろして下さい
自分で運転して自分に言ってる
まっすぐにくねくねと走る
車内には色んな荷物
人それぞれみんな違う思い出
取り分け輝いている
一番眩しい部分には
いつもあの人
もっと奥に潜めた呼吸に気づいて下さい
もっと深い小さな鼓動に触れて下さい
僕の『生きる』を誰かと分かち合いたい
いつもいつも生かされていた
こんな僕だとしても
この流れる血の赤い赤い部分には
忘れても忘れない涙と笑顔
寄り添えばたまに心が痛むね
けれども他人じゃないでしょう
繋がったらようやくわかるんだね
痛みというシグナル
今度は上手くちゃんと使おう
あなたの肩や手の平に
降り積もる未来
トレイン
悲しみという駅を過ぎて
苦しみという駅を抜けて
どこかで交わったり
どこかで並走したり
トレイン
いつのまにかレールは出来ていた
トレイン
そうか僕が自分で作り出していたんだ
さよならとぎこちなく
手を振った僕の手は
震えていたけど
別れの笑顔は
どこか変だったけれど
甘く酸っぱい思い出は
確かにいつまでもあの人
トレイン
幸せという名の駅に近づく
トレイン
あの人といた時間が優しくそばにいる