詩人:おるふぇ | [投票][得票][編集] |
聞こえますか?
聞こえますか?
あなたには…
さざめく波のように繊細な
そよぐ風のように微かな
その声
あなたには…
聞こえますか?
叫ぶこともできずに
ずっと堪えていたんだ
忘れたふりをして
深い闇の奥底に
置き去りにしたんだ
全部が全部を
なかったことにして
わたしであることの
わたしの痛みを
優しいふりなら
いらなかったよ
ただ徒らに
弄ぶだけ
わたしの声
わたしの声は
そんなところには
なかった
日の光射す窓辺に
横たわって
ずっと
眼を閉じていた
聞こえないふりして
隠していた傷の正体
いつからか?
どこからか?
なぜなのか?
そうやって
ひとつひとつ
そっと
ゆっくりと
紐解くように
包むような
仕草で
ずっと
待っていた
わたしは
わたしを
こんなところに
いたんだね
今まで
ごめんね
泣くに泣けず
身を震わせ
硬く護って
愛してやれず
ごめんね
ありがとう
初めて見せてくれたね
そんなに安らかな表情
また出逢えたね
一緒にいようね
わたしはわたしを
癒してあげたい
それは愛として
時空のない魂の記憶
生まれる前から
待っていた
わたしの
笑顔と等しく
流れる
浄化としての涙が
綺麗に鮮やかに
きらめく今