詩人:おるふぇ | [投票][得票][編集] |
永遠の道化師
神の歯車の上で踊る
滑稽な笑いを売って
その裏の涙が
窮屈な心の縫い目に
染み渡って
きつく解けなくなる
誰が犯した罪か
虚しさに浮かぶ漆黒の月
夢見の丘で貴女と出逢い
償えぬ旅路を伴走しては
互いの傷をただ濡らす
選んだ仕草は
眠れぬ吐息の淡き温度
触れ合えば微かに
すれ違う波長が
揺れて震えて
また求む
声のない空間に
まどろみ深く
存在の確かさに
五感の微細なる反応は
愛しさを更に色濃くする
冷たくなった指の節
伸ばす動作は静かに遅く
時はまるで
止まったかのように
魔法にかかったのように
貴女までの距離が
世界の涯てまであるかのように
そんな幻の錯覚が
何もない夜の永遠に佇む
言葉は出さなくてもいい
確証など不要だ
道化師に見えるかい
貴女にもこの笑いが
掴んでくれ
思い切り
離れないように
消してはならない光と影
たった一度
夜を過ごしたこと
その時の表情
それ以上は
求めてはならない
ごめんなさい
許して下さい
全ての罪悪の浄め
たった一度の
夜のことでした