詩人:おるふぇ | [投票][編集] |
夜は暗い
それは涙を隠すため
神様が悲しみのために用意した
優しいカーテン
明るい夜じゃ
泣けないでしょう
そうして悲しみは
闇を利用して
世界に落ちる涙になる
赤いレンガ道
誰かのマフラーが
風に飛ばされている
サックスブルーのマフラー
もう踊らないでくれ
悲しみと
月明かりのコントラストが
こんなに美しいの夜に
もう踊らないでくれ
絶対に
内緒と言った
心の奥の悲しみが
宇宙だけに包まれて
ココニイルと溢れていく
戦争と犯罪しかない世界の
神様を撃つために
重たいマシンガンを背中に背負って
男は荒野を歩く
世界の果てまで行けば
心の奥とつながるから
神様と契約を交わした命を持って
眠れない夜の窓硝子に
マシンガンで愛と撃つ
涙と月の輝きが
愛の破片に反射する
この世界には誰もいない
誰もいないけど悲しいの
誰もいないから悲しいの
後ろで笑う神様が
優しいカーテンの中
泣いてもいいよと
誰もをなくした
濡れたサックスブルーの夜
マフラー一枚どこまでも
落ちた飛沫が赤いレンガの上で
さまよいながら
寝不足気味な悲しみのやり場として
歌うでしょう
マシンガンで愛と撃ち
マシンガンで愛と撃てども
戦争も犯罪も減らないなら
今宵も誰かが泣くのなら
サックスブルーの夜の歌
世界の果てでつながった
心の奥で愛灯す
戦争に行った
男のために流した
女の涙が
いつしか夜のカーテンの向こう
傷ついた心を溶かすように