ホーム > 詩人の部屋 > knemoの部屋 > 鈍い影と奴と私

knemoの部屋


[12] 鈍い影と奴と私
詩人:knemo [投票][編集]

 鈍い影             奴と私

その青白く鈍い影        奴がはみだしている
毎日みつめて              
どうするつもりだい           

研いでも研いでも        サトラレたいのか          
何も切れないその刃物を     餌食にされたいのか
どうするつもりだい

叩いても叩いても        その醜く黒い顔がはみだしている                
音のしない扉叩いて       
どうするつもりだい

光もあたえない         私の髪が逆立ち
涙もあたえない         血が逆流し始め
叫ぶ声も怒りさえも       奴がシンクロしていく
お前には何にもあたえない    奴がシンクロしていく

お前は             私はサトラレるのか
ただ存在してればいい      餌食にされるのか

お前は             その汚れた黒い血
ただ閉じていればいい      
                奴が感染していく
                奴が増殖していく

                私の意識を消してくれ
その刃物が永遠に消えないように
                餌食にされる前に

2008/04/15 (Tue)

前頁] [knemoの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -