詩人:蒼月瑛 | [投票][編集] |
朝早く、駅で電車を一人待っていたんだ
「寒くなってきたな」なんてだれも聞いちゃいないのに独り言を呟いて、もちろん誰にも聞かせる気もなかったけどさ。
かじかんだ手で、携帯のボタンを押す。凍ったようなコスモス、タクシー運転手は欠伸をかいて寝てる。
世界はまるで絵画のように動かない。
ただ一つイヤフォンから漏れる叫び声が、安っぽい僕のセンチメンタルを揺らしている
こんな寂しい感情を、僕はだれかにわかってもらいたいのでしょうか?
共感なんて欲しかない、そう思っていると思っていたけど、結局僕は一人で生きてけないんだろうか。世間と共に死にたいんだろうか。
僕自身、世間によく頼ってきたもんな。貶し貶され、おあいこさ。
むしろ僕は感謝しなきゃいけないのかな。
世間知らずの意地っぱりが言う独りよがりの文句を受け止めてくれたんだ。
僕という小さな人間に対する劣等感。
自分を卑下にして楽しいか?
楽しかないけどこうすると楽になるんだ。
わかるだろ?自分に愛着があるから人は自分を卑下するんだ
誰だってそうだよ
ほら電車が来たからさ
そろそろ僕は行くんだ。足はすっかり冷たくなっちゃったけど、歩いてたらじき暖かくなるよ。
じゃあな、