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arisaの部屋


[29] 『大都会の生体』
詩人:arisa [投票][編集]

蝶ってさ、綺麗な羽でしっとり飛んでは花の蜜を吸いあの花この花と飛び回る…蜘蛛ってさ、素早く糸を張り巡らせて…捕らえた獲物を食い潰す…
眠らぬ街には今夜も蝶や蜘蛛が生き抜く為にやって来る…女と男が食物連鎖する街…
仕事帰りのつかれた男に甘い言葉で癒してあげるわ…もう少しだけここに居て私に甘い蜜を吸わせてよ…女は男を癒して癒して甘い蜜を頂くの…
蜜を吸い終えた蝶が向かう先に人恋しそうに待ち構える男達…楽しく一緒にどうですか?見えない糸を張り巡らせてさぁさぁ〜ボクの獲物になりな…
甘い言葉に誘われて蜜を吸った蝶は蜘蛛巣にひっかかる…
見栄を張るのが女の価値とこの世界の蝶は結構思ってる…
ついでにワガママもお嬢様級、「あれこれ嫌なの、どうにかしてよ」
それでも蜘蛛は大事な獲物笑顔で答えて蝶をあやす。蝶を糸に引っ掛け「またね」と蜘蛛も夜まで眠る…同じ夜がやってくる蝶々も蜘蛛もまた動きだす。
この街は生きものの基本を教えてくれる…あるのはお金に男と女ね…食物連鎖は今日も続く…

2004/11/09 (Tue)

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