詩人:禊 | [投票][編集] |
明日、私のまちへ帰る
横では幸せそうな寝息をたてて眠る、その人がいる
しばらくその横顔も見ることはないだろう
明日から日常に戻って 夜は一人で眠るのだ
私のまちは 生まれてからこの年まで育っただけに
私にとって この上ない場所なのだが
今夜だけは この冷めた都会が私の居場所だと思いたい
雪よ、今日だけと言わず
明日も明後日も
私のまちまでの道を閉ざしてくれないか
その横顔が見れるならどんな理由だっていいのだけれど
寝床に入ってからどれくらいの時間が過ぎただろう
未だ眠れず 豆電球を見つめていたら
自然と私は泣いていた
涙は一滴二滴、最後には流れるように出て
その人を起こさぬように
声を押し殺して泣いた
今この時が悲しくて泣いているのか
嬉しくて泣いているのか
私には分からない
そして、その人を起こさないようにしているにもかかわらず
心中は泣いている事を気にかけてもらいたいらしい
酒と煙草は一人前のくせに
まだまだ私は餓鬼から成長していないようだ
まぁ完璧な人間なんている訳がないし、と
自分を嘲笑いながら
その人の寝息を子守歌にして
そろそろ私も眠るとしよう
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自分の影をずっとずっと追っていく
いつまで経っても追いつけない
そうしている内に日が暮れて
影はにげちゃった
明日こそつかまえよ
そんな少年時代が懐かしい
今はもう影なんて見えてない
見えてるのは
堅苦しい抑制感
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人ってさ、霧がかかった向こう景色みたい
最初の頃は全然相手の事とか分からないんだけど
時間が経つにつれてどんどん相手の事とか分かってくる
じーっと待ってると霧も晴れてくるでしょ?
その向こう景色が絶景か、そうでないか分からない。だけど、徐々に見えてくるからおもしろいんだよね
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一人の女の子が公園であそんでいた
その子は砂場で何かを懸命に作ってたんだ
僕はその子に、「なにしてるの?」って聞いた。女の子は「おしろをつくってるの」って答えた。
でもそれはお城にはとてもじゃないけど見えなかった。
「そうなんだ。ぼくもいっしょにつくっていい?」
「いいよ」
女の子は笑ってそう言ってくれたんだ。
それから僕はその子と一緒に城を作り始めた。僕が喋りかけるとその子は笑って返事してくれるんだけど、決して僕を見てくれなかった。それからお城ができて、「うまくできたね」って言ったら女の子は
「あたし、めがみえないの」
何も言えなかった。
「でもきみがそういうなら、きっとうまくできたんだね」
なんで?って聞こうとした
「初めてのトモダチだから」
満面の笑顔で
彼女は僕に言った
やがて彼女の母親が迎えに来て、「またあそぼうね」
そう言って彼女は帰っていった。
でもそれから彼女を見ることはなかった。後から聞いた話では、引っ越したらしい。
今、彼女は……何をしてるのかな……
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毎日毎日同じことの繰り返し
それが俺の役目さ♪
いつもカチカチ
いつでもカチカチ
ひたすらカチカチ
最近はデジタルが出てきたけど、まだまだ新米にゃあ負けねぇぞと♪
いつもカチカチ
どこでもカチカチ
ひたすらカチカ……
おおい!電池切れだぁ!