詩人:禊 | [投票][編集] |
一人の女の子が公園であそんでいた
その子は砂場で何かを懸命に作ってたんだ
僕はその子に、「なにしてるの?」って聞いた。女の子は「おしろをつくってるの」って答えた。
でもそれはお城にはとてもじゃないけど見えなかった。
「そうなんだ。ぼくもいっしょにつくっていい?」
「いいよ」
女の子は笑ってそう言ってくれたんだ。
それから僕はその子と一緒に城を作り始めた。僕が喋りかけるとその子は笑って返事してくれるんだけど、決して僕を見てくれなかった。それからお城ができて、「うまくできたね」って言ったら女の子は
「あたし、めがみえないの」
何も言えなかった。
「でもきみがそういうなら、きっとうまくできたんだね」
なんで?って聞こうとした
「初めてのトモダチだから」
満面の笑顔で
彼女は僕に言った
やがて彼女の母親が迎えに来て、「またあそぼうね」
そう言って彼女は帰っていった。
でもそれから彼女を見ることはなかった。後から聞いた話では、引っ越したらしい。
今、彼女は……何をしてるのかな……