ホーム > 詩人の部屋 > スヌスムムリクの部屋 > しおり 直樹 毎年、毎時期、この季節

スヌスムムリクの部屋


[11] しおり 直樹 毎年、毎時期、この季節
詩人:スヌスムムリク [投票][編集]

あと1週間で
あの日からちょうど6年

あの時の私たちは
絶望でいっぱいで、いっぱいで、

この先、

「生きる」

という道が、
全くみえなかった


この先、

「幸せ」

に出逢うことはないだろう

出逢ってはいけないんだろうなあ

と思ってた


自分たちだけが生きてるなんてありえなかった


だって、
あの子がいないんだから


あたしたちは、
3人でいつも一緒だった

本当に、珍しいくらい
仲が良かったと思う


学校もみんな違って、
どうしてここまで仲良くなったのかは覚えていない


でも、本当に絆で結ばれてた


みんなそれぞれ、家庭に何かを抱えていた


でも誰も、

「幸せじゃない」

とか、

「どうして自分だけ…」

なんて言わなかった

思わなかった


ちょっとマセた、
本当に優しい子たちの集まりだった

あたしはいつも、彼らに甘えて、甘えて、

もう本当に大好きだった

一生ずっと一緒にいると思ってた


小さな時の約束、友人関係など、大人になったらそんなのわからない

それはわかってる


でも、今でもあたしは、
彼らはあたしの一生の友人

あのことさえなければ一生一緒にいただろうと

確信できる


「難病」

仕方がない

悔やんでみても、あたしには治せないし、

どうしようもない


でも、
何で彼女が死ななければならなかったのか

あんなにいい子で、いっつもつらい思いをして、苦しい環境にいて、

神様は不公平だと、
本気でそう思った

あたしたちは、一生幸せにならないんだろうと本気で思った

自分たちだけが生きてる未来なんて想像できなかった


でも、意外と今、生きてしまってる自分がここにいる

彼女のことを毎日思い出すことも、なくなってしまった

いいのか悪いのか…







私には、

「正しい生き方」が、

わからない

2010/09/19 (Sun)

前頁] [スヌスムムリクの部屋] [次頁

- 詩人の部屋 -