詩人:スヌスムムリク | [投票][得票][編集] |
君がいなくなってから
ちょうど6年たった今日この日、
私たちの町からは
ちょうど台風が過ぎ去りました。
この気温、
この空気、
やっぱり私は好きになれない。
ふと、肌にふれたとき、
「あ。」
と感じてしまう。
思い出してしまう。
今のこの空気は、
あの時の私たち。
記憶そのものだから。
「 秋って一番好きだな。
秋はね、『死』の季節なんだって。
だから、こんなに 、
心地よくて、優しい気持ちになるのかな。」
本で読んだんだ。
そう言って優しく笑った君の顔が、
今でも焼き付いてる。
6年前、
この悲しみから、一生抜け出せる訳がない
なんて思っていた私は、
意外と今、
こうして生きている。
君のことを、
つねに、
いつもいつも考えることも
なくなってしまった
前に、進みたくなかった。
でも、昨日、
台風が過ぎ去ったばかりの昨日の夕方、
空に映る真っ赤な夕焼けを
「キレイ」
と思ってしまった私がいるんだ。
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