弱虫は嫌いだ



でも

「弱虫を嫌いだ」

と言う自分は

もっと嫌いだ



大嫌いだ






自分がもどかしい

いつからこんなことに?





強くなりたかった

ただただ

強くなりたかっただけなんだ



強くなりさえすれば

力強く

心折れずに

心豊かに

慕われ

頼られ

何事にも負けず

動じず



生きていけると思った


生きていかなければならないと思った



頼りたくなかった


１人で生きていかなければならなかった

手段が欲しかった






「強さ」

を手に入れる過程で私は

人の弱さが目につくようになる



気がつくと

「弱さ」をひとつの魅力だと考えていた以前の私は
もうどこにもいなかった


ゾッとした

無意識のうちに私は

「弱さ」

ではなく

「弱い人」

までもを排除するようになっていた






「強さ」

を求めても

強くなりきれなかった私は


何か大切なものを失った



人として

決して見失ってはならないものを





人は変われるから

人が変わることに手遅れなんてことは決してないから


だから

すべては自分次第でどうとでもなれるわけだけれど


でも今の私には

強く

強くなりきれる自信がない


でも強くならなければいけないから

私は弱虫にはなりたくない


でも私は「弱虫」が好きだから

好きなはずだから


やっぱり弱虫にはなりたくない




私は弱虫が嫌いだ