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あとりえの部屋  〜 新着順表示 〜


[149] 目隠しと貝殻
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
海の記憶


聴いている




あなたの腕


細くなく


マントだけ風


なびかせ




髪を切る人


あなたの髪を

ざんばらに


目隠ししながら


切って


髪落ちて



あなたたちはそのまま


倒れてしまう



僕は



檸檬かじりながら



頁を破り捨ててみた


風は



意図も簡単に飛ばした





貝殻で切った

夢は

繊細だったさと





君の切り落とされた髪


流し



僕は新しい傘に満足した


ふりしながら



貝殻から



海の記憶

聴く


それを君に渡そうと



飛ばされた頁一枚


落ちて来て


拾い詠むと


けして破り捨ててしまうこと

なかった


大切なカケラたち


印された頁


あなたの髪

新たな風にただ


なびく


2010/12/15 (Wed)

[148] 春色ワンピース
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
ミシンかた

かた
ことこと

未来はそのミシン糸から

連れて来る


そう願いながら

春のワンピース

出来上がり


裂けた未来を待つ


残酷なシナリオならば


海へ流せばいいと

波浮かべ

流せば

いつしか砂浜へ

割れた砂時計と共に

重なり合う

物語のような時計の音色は


もはや残酷だと云い捨てる

逃避

その現実に存在せず


貴方はそのシナリオの部外者で

在りながら


登場人物の項目に

姿顕して

僕は幾度も消した


このシナリオ中には

入り込まないで


このシナリオは

現実の脚本なのだと




春色のワンピース

タイトルがそれなら


開かずに


開いたのは彼女だった

だから

僕らも開いてみた


まだ若い人さえ

開いた


ならばその台詞を聴けばよい


雲から雪降る間


2010/12/15 (Wed)

[147] 溶けたので
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
アイスクリームを地下室で
買いました


あなたと食べる予定でしたが

夏休み過ぎてしまい


もう溶けてしまい


何年となるでしょう


あなたは すっかり

蝉取り上手くなり

いつしか

その姿も見なくなり

彼女は小娘の衣

あまり似合わなくなる

始めての夏

アイスクリーム溶ける

温度の速さに

詩溶かしてしまった


ごまかすのが速いのか

本音吐いた方が早いのか


街角曲がる

マタニティ姿から先の未来

それは誰しもに与えられた

未来でなく


あの娘は旅絶ったの

未来から



僕たちは 解散してしまった

僕はテーブルに座り

地下室の窓から


光り見ていた


そのテーブルと椅子にまだ若い人たち

座り出し


僕は もう二度と同じ

悲しみ体験したくないと

地下室の窓から

逃げ出した

君は蝉取りの姿

似合わなくなっても

蝉の声

レコーダーに納めながら


枯れた木の枝へ

若葉を

詩わせた


僕は 墓参りをしていない

だから


あんな姿で夏のキッチンの

冷蔵庫へアイスクリーム
押し込み

開けば溶けてたんだ

夏休み終わり



アイスクリームを創り治す

物語はいらないはずだと


彼女は受胎告知

受けたんだって


僕は

冬の扉の鍵

見つけて

ロビンハットの帽子

かぶってみた

2010/12/15 (Wed)

[146] 地下のイカロス
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
毒吐き草原に

落とされた鍵


捜す作業の合間



アリスうさぎの懐中時計

人魚のミイラ

イカロスの羽


あなたの教室はダムのよに

埋められたままそこから

未来都市

夢見て

地下の音


ひましに激しく鳴り響く

地下に創造のアクシデント

いつか


手が割れた地から出て


はい上がって来る


アクション


イカロスの羽



地下で舞う


創造のアクシデント的


アクション



2010/12/15 (Wed)

[145] エキセン ツアーの終幕
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
氷の女王の笑みを

捜す旅のよな

ツアーの最中



王子のロビンフッド

ハット編む手は


一つではなく

千の手となる

いつしか冬と春の交差点で

その時の歩行天国

見かけるならば



ツアーの旗を手に持つ

氷の女王の笑み捜し



あなたには

もうエキセントリックは

似合わなくなったの


ついていけないじゃない

エキセンな姿に自身が

氷の女王の笑み捜しなんて

ツアーは辞めて


春色のワンピース探しに

出かけてよ


2010/12/15 (Wed)

[144] たくさんの鍵のなか
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
毒吐き草原に

落ちた

かじられた

毒林檎

ホルマリンのなか


毒吐き草原に

落とされ鍵


パスワード決まったかい


そこが

いつしか

海となり

遥かなる意識の底


泳ぐ深海魚のよに



毒薬の瓶さえ

落ちて泡さえ

用意されては


さあ


そこから立派な二本足にて

歩む人間におなりなさい


意識の深海の底から




毒薬の瓶

転がる意識の底は

泡さえ用意されて


いつしか草原に

落ちた

かじられた毒林檎

腐り


ホルマリンのなかで

浮かぶ脚本の頁タイトルに

完全なるラットの行方


意識の底の底

転がる毒薬の瓶と

用意された泡と



鍵とパスワード設定




後ろの扉から

生まれたばかりの泣き声と

白い布顔にかぶせられた

呼吸止まったママの姿


生まれたばかりの泣き声

聴いている


それは誰




2010/12/15 (Wed)

[143] 小瓶の蜜はすぐ底をつく
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
優しさは蜜になり損ない

単なる甘いだけの砂糖

甘味料

摂りすぎては

毒になれど

薬にはなれぬ


だから

蜜をと冬の気温手前

集めていた

小瓶はすぐ底をつく



2010/12/15 (Wed)

[142] お月さまから降る雪は
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
花畑消えた冬の入り口

蜜さがしとぶ

真夜中


ハーフムーンの色

蜜みたい



お月さまから降る雪

つもれば雪の花畑


2010/12/15 (Wed)

[140] 雪の糸
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
幸福の糸

絡まりもつれ

混線し



とても小さな子が携帯
手に持ち

大人たちの真似


もふもす
ももふし


そう話しながら青空の濃さ変わってる



幸福の糸

もつれたら切るの

解くの



雪雲は何 連れて来るかな

白い淡いはかなさ

それとも


その世界でしか感じられない

温かさ



雪の糸

溶ければ春


春は別れと出会いの風吹いて



段々暖かくなってくねと

こぼす


また夏 秋 来たね


在はもう冬


どんな雪降るのか


温かさの記憶忘れたくない


2010/12/05 (Sun)

[139] 雪色メロディー
詩人:あとりえ [投票][編集]

 


静かな旋律

とともに


音の階段


転がる


まるい


まるく跳ねてけ


カケラたち



雪色のメロディー降って来た


温かさ求めるよに



2010/12/04 (Sat)
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