詩人:あとりえ | [投票][編集] |
海の向こうの街の
あるギャルソンは
少年の頃から
煙草吸いながら
カットが必要な
くしゃくしゃの前髪で
生意気な表情
隠して
窓から裏通路へひょいと身軽出ては
軽くは心開かない
いいことなんか
まるでない
朽ちた灯台で寝て
月灯ただ眺め過ごしたり
或る月夜
ゆっくりと時の丘へ向かい
歩いた
その時にはポケットには
わずかなコインしかなく
明ければ
春の丘で ただ広がるような
街を海 水平線
眺めながら
大きく息を吸い込んだ
そして丘を降り
見つけに探しに行く旅へ
いつしか
彼はギャルソンとなる
カフェ庭に水をやり
テーブルクロスを変え
椅子を調え
その湯気のなか
ギャルソンは或る旅を続け
詩人:あとりえ | [投票][編集] |
僕は探している
事故と同じ体験後
点滴、大量の薬剤と
..その後
何が自分を支えていたか
何を好きだったのか
そんな事さえ記憶喪失のよに
記すという過程
まず毒を吐いてしまう時もある
そのまま抑え封じ込めてはならない毒もある
アイデンティティを若者病だと批判した年輩者がいたが
この星にはその年輩者たちの中にさえ
アイデンティティの確立 を知らず求め
さ迷う人たちもいる
確立とまでいかなくてよい
手に触れる手を繋ぐよに
心に触れるアイテムはまず何なのか
小さなメモ帳でもいい
記す
一文字でも一行でも
そしてつぶやいてみる
猿や他生物たちは
この記すという作業は無く
人間だけが言葉をネットワークとし
記すという事を覚えた
この記すという作業は
知的な作業だそうで
そんな台詞聞きたくない君も
自分が何気に記した詩や
文字の中には
何かとコンタクトを取りたい
触れたい繋ぎたいという
隠れたメッセージも在る
それは対象が人間では無くても
愛しい人たちを
少しでも幸せにしたいという
隠れたアイテムが段々
明確化されていく
そんな小さな旅さえ
与えてくれる
君 記し伝えた こころ
僕たちは
このネットワーク化した
ことば、文字を借りて
ある旅をしている
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綾取りの糸
もつれて落ちてます
ますます
もつれたからと切れば
その糸でまた
あやとりするには
新しい糸でやり直すか
とにかく
あやとりはしたくない
糸あるならば編みたい
それが
電子世界で編まれた場合
詩人:あとりえ | [投票][編集] |
言ノ葉の泉か沼
どちらとなるか判らぬ
土砂降りあと
蜘蛛の糸
言ノ葉と葉の間
するると
落ちて
掴む
なけなしの文学性とは
何求めて
言ノ葉の天国へと迎いたいのでしょう
言ノ葉の地獄では
愛無き世界こう
渦潮化した
情報文字のなか埋もれた
こころの腕数さえ
蜘蛛の糸
求める腕も在り
糸は掴まず
渦潮中の腕を掴む
そんな景さえ
言ノ葉のかがやく葉の下で
自転車通過し
蜘蛛の糸
切れ
そんな時の間も
美しく彩る
季節 うたい続けていました
詩人:あとりえ | [投票][編集] |
死にたいと伝え
愛を得ようとすることは
脅迫により
例えば
相手の首に手をかけ
わたしを一番に愛しなさいと
脅かし
死にたいの伝え方により
相手の首にかけた手を強めるのと同じ
相手のこころの意識は薄れ
訳わからなくなり
愛していると
手をかけた相手に伝える
死にたいと脅迫し
相手から愛を得ようとすることは
それと同じだと思う
詩人:あとりえ | [投票][編集] |
頁を破る
びりびりと
誰かが
あたたまるたび
誰かが
冷たくならねばならぬ
ゲーム
誰かが
餌食
誰かのスープになるための
頁を
ひたすら破る
ゲーム内容の非情さに
餌食
誰かが
あたたまるために
誰かが
冷たくされていく
ゲーム内を
どうぞ
ご堪能あれ
詩人:あとりえ | [投票][編集] |
いつまでも
ノーメイク
外出先で可笑しいって
コンビニで
帽子とれば
髪はみだしなみ注意報
あんなにオシャレ好きだったじゃない
なのに
そんな同じパーカーばかり
着て
最近
僕の外見見てそう伝える
人の
コミュニケーション重視したファッションや
ヘアスタイル
いつだって
僕は
いつまでもノーメイクな状態を
亡くなったあの娘への想いにすり替えて
あの娘が去ってから
手に触れていた
メイク用品さえ
記憶にない
コンビニの兄ちゃんが
帽子とった僕の姿見て
出ていく姿に
なんであんな外見で
外に出て来たんだろ
と聞こえるように隣の店員さんへ話していた
僕は昔
オシャレ好きだった
メイクアップして
サイドテールで出かけた日もあった
亡くなった
あの娘はオシャレ好きだった
だからとはいわないけど
こんなメイクもする気力失った
僕を
私のせいにしないでねと
言ってる気がして
メイク用品を買いに行こうかとおもう
今朝も地球の景は
澄みやかな空の下