薄桃の急須は幸福な食卓を夢見ていたしかし薄桃急須はいつまでも棚の中あの青い急須は食卓に置かれ 使われていて..そう薄桃の急須は感じた 一度だけ薄桃の急須は誰かが流行り病の際小さなお盆に乗せ使われたやっぱり湯漏れするわねそう聞いて棚の中へ返された薄桃の急須は思い出した ずっと昔 床に落ちてひびが入ったことある季節 薄桃の急須は庭に置かれ 山から抜かれて来た植物を飾る鉢になった嬉しかった幸福だったひびがパリンと割れてしまうその時まで
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