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あとりえの部屋


[54] 言の葉たちの詩
詩人:あとりえ [投票][編集]

 
 
樹木は若葉を芽吹かせ

その若葉

まるであの頃の

僕らの 言の葉のよう

その葉たちは若葉であったけど

みな違う姿で

時を夏を迎えた

盛んな蝉の鳴き声を


僕らは 覚えているよね

入道雲
海や山や草原や

君の時の
ベランダや庭から

言の葉たちはそれぞれの青春を
詩った

若さ 在るまま


いつしか夏でさえ
さまざまなシナリオ遺すよに

少しずつ下がり

トンボたち
地球の空
背景に
ゆったり飛んでる様
眺めながら


そのうち夜の鈴虫の鳴き声

夜の葉たち

聴いては朝迎え


いつのまにか

空の気は広くて深い空

次の季節


この季節の

物哀ししさや深さ

僕たちの言の葉たちの半数は


在 この季節を迎えているのだと


深くて
若さだけの空では

識ること無かった背景を詩う

言の葉たちは

彩りながらいつしか枯れ落ちて

木枯らし吹き


クリスマスの歌流れる季節

そこから先
巡り来る冬の音

雪雲下の冷たい空気の中


白い雪受けた枝先で
言の葉
より生き生きと


そして

雪の下

眠る言の葉や


静かに春を待つ


花たち咲いて


春の風
報せに来る


次の新たな季節

新たな


また若葉

芽吹くよ

この調べを

さまざまな言の葉たちは
記憶してる


2010/11/16 (Tue)

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