この世に存在しない者にとって全てがあまりにも無意味だ。絶望も興奮も熱情も激情も冷酷さも何もかもが無い。希望も無く、幸せも無く、全てを持たず、かといい不幸も何もない。今日俺が歩いた道に、俺の影はあったろうか。きっと無かった。吸えない煙草を吸った気になっている時だけ、幸せになれるようだ。
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