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soRaの部屋


[33] 退学
詩人:soRa [投票][編集]

退学の日
僕は放送室でブルーハーツの
”終わらない歌”を歌った
午後の授業の始まりを告げるチャイムの後だった

僕は学校が好きだった

僕にピアノを教えてくれた女教師も
家出したとき横須賀まで迎えに来てくれた
担任教師も
僕を毛嫌いしていた生物教師も
本当に好きだったんだ

スカートの丈を短くすることをしなかったあの子と
夜の渋谷で二人だけの秘密を持ったとき
少しずつ
少しずつ
何かが変わって行くのが分かったんだ


遥ざかって行く
いや
遥ざかろうとしていたんだ

あの子のスカートの丈が短くなったのは
理由なんて無い事も知っていたし
変わってしまったのは僕だけだったのも
よく知っていた

いつのまにか居場所なんてなくなっていた

僕は最後まで歌った
それからひとつ深呼吸をして
ざわめいた学校を出た

終わってしまった日に歌った
”終わらない歌”を
僕は今日も歌っている



僕は学校が好きだった

2003/07/04 (Fri)

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