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アジスの部屋


[4] 第二ボタン
詩人:アジス [投票][編集]

 
チャイムが鳴り響く
懐かしき校舎
 
ここで始まり
ここで終わった
 
3年間
それが長かったのか短かったのかは
僕にはわからない
 
君と出会い
多くの想い出を残した
 
僕が笑っていたら
君も笑ってくれた
 
僕が悲しんでいたら
君がそばにいてくれた
 
なにも変わらない毎日が
一番の幸せだった
 
あの日
僕は君を失った
 
君と交わした約束も
君と想い描いた未来も
すべては夢になった
 
儚く散った夢
もう二度と見ることもなく
叶うこともない
 
君と過ごした3年間
それは夢だったのかもしれない
 
長い
長い夢を見ていたのかもしれない
 
だけど
君と共に過ごした時間は
確かにあった
 
二度と果たされぬ約束
今もなお
僕の手には
第二ボタンが握られている
 
第二ボタンと共に
君に伝えたかった想いも
今ではもう叶うことはない
 
遅くなってごめんね
もう君はここにはいないけど
この想いは変わらない
 
ずっと
好きだったよ
 
墓石の下に置かれた第二ボタンは
小さく輝いていた
 
 
 

2006/09/22 (Fri)

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