詩人:安曇 | [投票][編集] |
君の笑顔が胸に刺さる
上手く笑えずにゆっくり歩く
優しい日差しが僕らを包む
君は僕の手を
いつもより強く握っていた
最後のデートだという事以外
何にも変わらない
優しい空気
お願い
いつもよりも少しだけ
時が過ぎるスピードを
ゆるめて下さい
お互い相手を思いやって
愛しい時間を過ごしていたね
初めて君に伝えるけど
君との日々がね
僕の心を
綺麗なものにしてくれたんだ
最後のデートだという事を
時計を見るたび思い出す
時間がたてばたつほど
握った手が愛しくて
君と同じ体温の右手を
離したくないよ
最後のデートは
別れの道を歩くこと
二人で決めた事なのに
踏み切り音が虚しく響く
もう少しだけ
踏み切り閉まっててくれないか?
駅に入ったら君の手を
離さなくちゃいけないから
改札の前、別れの時
つないだ手がそっと
離れていって
『またね』
と言った後ろ姿が
少しだけ震えて見えた
自分の無力を思い知らされた
幼き恋の唄