詩人:檸檬水晶 | [投票][編集] |
侘しい花と暗い泉
それは同じ色を灯して
密やかに私の胸を焦がす
数える日々の少なさが
こんこんと涌いては沈み
ぷかりと浮いた花さえ
私の瞳は捉えぬまま
青い空に心を預け
泥濘に足を差し入れる
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女に似ている。
毒々しい悪の蔓延る紫の空間だ。
一匹の猫がいた。
"汝、何ゆえ恐れるか。"
猫の目は妖しさに鈍っていたが、わたしを恐れさせるには十分なのだ。
お前が、とわたしは答えた。
猫は途端に長い睫毛と輝くほど赤い唇を剥き出しにして
"食ろうてしまおうか"
わたしは飴色の瞳を見た。
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影が映る
暗い場所で
それが本当なのだと知って
僕はとても嬉しいと思った
影が射す
明るい場所へ
それが本当なのだと知って
君はそれを絶望だと言った
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すうと胸に抜けるような
夕暮れにも似た心地よい感情
心の表面を粟立たせて
僕の心臓を煩くさせた
からからと、君の笑う声が耳に聞こえた
得も知れぬそれが先と同じように
すうと胸を走り抜けた