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黒の部屋


[59] ある町の話
詩人: [投票][編集]

彼女はオニキスのペンダントをさりげなくだがしている

彼はロックのアルバムばかり千枚も買いあさり二百万円の借金をした

彼は昼も夜も踊り続けて七十万の借金をした

彼は典型的なパンクスでマーチンをイギリス風に結ぶ

彼は破天荒なチンピラで水のような手をしている

彼女はとても綺麗な目と髪を持っていて誰も触れられない

彼は生まれながらではないがなかなかのギャンブラー

彼は百色の絵の具で一色の色を造る

彼はハサミを餌に獲物をとっかえひっかえ

彼は大体決まった場所に現れレゲエとダブの話に夢中

彼女は毎日のように酒を飲んでは彼等を見て笑う

2006/02/16 (Thu)

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