詩人:霧緋 | [投票][編集] |
『今、幸せ?』
急に聞くからビックリしたよ
僕はどっちでもないなぁと思ったけれど
『うん』
って答えたっけ?
何でも理由を聞きたがる君の次の言葉は案の定
『それはどうして?』
だったけれど
僕は何も言わなかったっけ?
今だから言うけれど
あれはね
横で君があまりに楽しそうに笑うから
その笑顔につられちゃったんだ
答えを君に伝えたくても
君はもう空の上
あぁ…今日も青空綺麗だね
君は元気にしてるかい?
こんなに空が綺麗な日は
君の笑顔と笑い声
いつも思い出しちゃうよ
君は…
『今、幸せ?』
詩人:霧緋 | [投票][編集] |
あなたの温もりが消えたこの部屋で
帰りを待ち侘びていた
きっと帰ってくる
いつものように『ただいま』って
優しく頭を撫でて笑ってくれる
小さな体に孤独を背負い
一人残されたこの部屋で
外からドアが開くのを待っていた
僕の後ろには
優しく笑うあなたの写真
僕の後ろから
お線香のニオイ
足音が聞こえる度立ち上がり
窓を開けてあなたを探した
安い布団に転がれば
大好きなあなたのニオイがした
僕を抱いて優しく笑う
もうあなたは写真の中にしかいない
気が付いたのは大人になってからだったよ、お母さん
詩人:霧緋 | [投票][編集] |
目の前のあなたは
まるで眠っているように
優しくて綺麗な笑顔で
幼かった僕には
それが示す意味がわからなかった
ただ横たわったあなたの横で
いつものように眠りについた
『お母さん、朝だよ』
周りの知らない顔の大人たちから
悲しそうなたくさんの視線が
僕に注がれていた
あなたが豪華な車に乗せられた時
何処かすごく楽しい場所へ行くのだろうと思った
僕一人が残されて
帰ってきたのは小さな白い壷だった
『お母さん、いつ帰ってくるの?』
人形のように何も語らない知らない顔の大人たち
僕を見つめて泣いていた