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霧緋の部屋  〜 新着順表示 〜


[3] 幸せ?
詩人:霧緋 [投票][編集]

『今、幸せ?』

急に聞くからビックリしたよ
僕はどっちでもないなぁと思ったけれど

『うん』

って答えたっけ?
何でも理由を聞きたがる君の次の言葉は案の定

『それはどうして?』

だったけれど
僕は何も言わなかったっけ?

今だから言うけれど
あれはね
横で君があまりに楽しそうに笑うから
その笑顔につられちゃったんだ

答えを君に伝えたくても
君はもう空の上

あぁ…今日も青空綺麗だね
君は元気にしてるかい?

こんなに空が綺麗な日は
君の笑顔と笑い声
いつも思い出しちゃうよ
君は…

『今、幸せ?』

2006/08/08 (Tue)

[2] 待ちぼうけ
詩人:霧緋 [投票][編集]

あなたの温もりが消えたこの部屋で
帰りを待ち侘びていた

きっと帰ってくる
いつものように『ただいま』って
優しく頭を撫でて笑ってくれる

小さな体に孤独を背負い
一人残されたこの部屋で
外からドアが開くのを待っていた

僕の後ろには
優しく笑うあなたの写真
僕の後ろから
お線香のニオイ

足音が聞こえる度立ち上がり
窓を開けてあなたを探した

安い布団に転がれば
大好きなあなたのニオイがした

僕を抱いて優しく笑う
もうあなたは写真の中にしかいない

気が付いたのは大人になってからだったよ、お母さん

2006/08/08 (Tue)

[1] お葬式
詩人:霧緋 [投票][編集]

目の前のあなたは
まるで眠っているように
優しくて綺麗な笑顔で
幼かった僕には
それが示す意味がわからなかった
ただ横たわったあなたの横で
いつものように眠りについた

『お母さん、朝だよ』

周りの知らない顔の大人たちから
悲しそうなたくさんの視線が
僕に注がれていた

あなたが豪華な車に乗せられた時
何処かすごく楽しい場所へ行くのだろうと思った

僕一人が残されて
帰ってきたのは小さな白い壷だった

『お母さん、いつ帰ってくるの?』

人形のように何も語らない知らない顔の大人たち
僕を見つめて泣いていた

2006/08/08 (Tue)
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