詩人:空白 | [投票][編集] |
静けさを
連れてきた
雨の音は
母の心音に
似ていた
耳よりも
体に
浸透していく
外に出れない
体温と
混ざり合って
僕の意識を
落としていく
小雨の音は
淋しさをうめる
雨の音は
泣くための
土砂降りの音は
眠るための
僕だけの
メロディー
詩人:空白 | [投票][編集] |
僕は
弱虫だから
選べないんだ
生きることも
死ぬことも
そんなこと
考えてる僕を
他人は
バカにするだろう
でも
解らないんだ
生きることも
死ぬことも
選べなかったら
どうすればいいのか
解らないんだ
詩人:空白 | [投票][編集] |
ひねくれ者の
蟻が10匹空を飛び
解りにくいかもしれないけどさ
ぶっきらぼうの
蟻が10匹空を飛び
照れくさいからさ勘弁してよ
喧嘩しても
蟻が10匹空を飛び
いつもごめんね
挨拶代わりに
蟻が10匹空を飛び
これからも宜しく
ただのすれ違いでも
蟻が10匹空を飛び
僕がいることに
蟻が10匹空を飛び
当たり前に
今日に昨日に明日に
蟻が10匹空を飛び
向日葵になって
眩しい太陽に
蟻が10匹空を飛び
コート探して
厳しい寒さに
蟻が10匹空を飛び
改めて
小さくなった背中に
蟻が10匹空を飛び
思い出話と
見上げた顔に
蟻が10匹空を飛び
さりげなく
並べた肩に
蟻が10匹空を飛び
影でこっそり
蟻が10匹空を飛び
悪口の方が多いけど
忘れないうちに
蟻を10匹
胸に抱いた
蟻が10匹空を飛び
言葉少なな今の僕が
届くといいな
詩人:空白 | [投票][編集] |
世界を構築しよう
この何もない
原稿用紙に
一文字一文字が
原子になり
熟語が
分子になり
一つの文章が
細胞になり
無数な線が
独りでに
動き出す瞬間に
僕は目を閉じ
また僕の中に
同じように
世界を構築し
また目を開け
縮小した世界に
耳を澄ます
耳を澄ます
小さな鼓動と
シンクロする
僕の鼓動
初めて成立する
一方的な
楽しい会話
時に僕の指は
唇のように
仮面を被り
小さな声で
語りだす
何処かで聞いた
言葉を借りて
詩人:空白 | [投票][編集] |
まず
60兆分の1
60億分の1
それから
365分の1
12分の1
あと
4分の1
2分の1
それ以上の
コンピューターでも
割り出せない
そんな奇跡が
君の僕の
命なんだよ
詩人:空白 | [投票][編集] |
僕は誰と
聞いたなら
君は君と
答えて欲しい
固有名詞や
生年月日
僕を表すのは
そんなものなの
出身地や
家系図で
一体何を
表してるの
人種や
遺伝子
関係ないよ
当てはめる
血液型や
星座で
僕を限定しないで
僕は僕
世界で1人
僕は誰と
聞いたなら
君は君と
抱きしめて欲しい
数えられる
書類上の僕じゃなくて
本当の僕を
少しだけでも
感じさせて
詩人:空白 | [投票][編集] |
同じ白なのに
気づいてしまう
慎重に
綺麗に
消してくれたのに
気づいてしまう
一度
一瞬
一点の
違和感
透けない白に
透けた色
指で触れて
想起する
青いペンを
取ろうとして
気づかずに
黒いマッキーで
指を汚した
掠れた指紋を
前にして
存在を問う
自分自身の
消したくないと
思うかどうかを