詩人:空白 | [投票][編集] |
君は
知っているんだね
網目の向こうに
空がないこと
悲しげに
さえずりながら
君は
何を見てるの
羽ばたく翼も
望む自由も
与えられず
知り尽くした
世界で
死んでいく君を
可哀想と逃がす
愚か者になれない
僕は
偽善者にすら
笑われるよ
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解ってほしいのは
論理破綻なこの気持ち
冷静を装って
ループしながら
リズミカルに
螺旋階段下ってく
夜中の嗜好
夢を見るよりも
易しい闇に
模索中な逃げ道
メビウスの輪を
無理やり切っても
自ら裏側
真っ逆さま
ほらほら 見たね
平気な振りは
不思議とバレない
ひたすら罅いていく
破裂するまであと何秒?
軒並み飲み込んだ
ネガティブウィルス
ぬかるむ足元
日常風景
成り行き任せで
途端に転ぶ
手当たり次第に
掴んで一緒に
蓄積する不満
対象は自分
背けたい内側
設定した外側
すっぽりハマった
執拗的な失望感
詐欺だよ神様
込み合った頭の中で
検索できない
詳しい自分
基本的に遠いんだ
彼や彼女よりも
おかしいな
描けない自画像
浮かばない形
いくら言われても
開けられないドア
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綺麗事だけ
認める訳じゃないが
この頃
耳が痒くて
しょうがない
聞くに耐えない
罵詈雑言
恥ずかしい
失言
事実の発覚
聞く度に
蓄積する
耳障りな
テンション
誰彼となく
遊ぶ噂に
綿棒が止まらない
赤くなっても
止められない
一言も
残留させたくない
汚い言葉
綺麗事だけ
認める訳じゃないが
耳障りで
仕方ない
イヤホンで
封じても
隙間から
聞こえる
井戸端会議
耳が痒くて
痒くて
たまらない
綺麗事だけ
認める訳じゃないが
重すぎるのかい
僕たちの肩には
誰かを
思いやる心は
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いっちゃいけない
おもっちゃいけない
だめだって
わかってる
じぶんだけじゃ
いけないって
わかってるんだ
ことばじゃ
つたわらない
ことばが
ほしいんじゃない
ただくるしくて
さんそがたらなくて
ちゅうにゅうきの
かわりに
ぼくはつぶやく
なんども
じょうだんなら
いいね
わるふざけなら
かんたんだね
むししないで
ちゃんと
ぼくをみて
ちゃんときいて
おねがい
おねがい
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空気に触れたら
僕の気持ち
関係なくなるからって
下唇を噛む癖
僕を無視して
誰かを
傷つけないでよ
僕はそんなこと
思ってないよ
そんな悔しさで
そんな悲しみで
僕は血の味を
初めて知った
唾液で腫れて
痛いんじゃない
空気に触れて
痛いんじゃない
言葉に埋もれた
世界が痛い
世界が憎い
だから僕は
君に
言われても
直せないんだ
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0=0
そこで
世界は完結し
そこで
世界は終了し
そこで
世界は開始する
何も始まらず
何も終わらないまま
そこでは
何もかもが
同じで
何もかもが
違う
一文字で
概念は
意味をなし
いくら書いても
意味は尽きない
誰にとっても
無価値で
ありながら
誰にとっても
至宝のもの
不思議と
思わない
不思議な感覚
いつも
そこに帰る
知識の帰巣本能
言葉にならない
安心と
言葉にできない
不安が
同じ皿の上で
待っている
真っ白な無垢さと
真っ黒な既存と
透明な明白さと
不透明な平等と
いつだって
答えにならないのは
その意味不明な
奥深さで
人を引きつけて
突き放して
無関心で
いられなくする