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空白の部屋


[106] 孤独な世界の小さな会話
詩人:空白 [投票][得票][編集]

世界を構築しよう

この何もない

原稿用紙に

一文字一文字が

原子になり

熟語が

分子になり

一つの文章が

細胞になり

無数な線が

独りでに

動き出す瞬間に

僕は目を閉じ

また僕の中に

同じように

世界を構築し

また目を開け

縮小した世界に

耳を澄ます

耳を澄ます

小さな鼓動と

シンクロする

僕の鼓動

初めて成立する

一方的な

楽しい会話

時に僕の指は

唇のように

仮面を被り

小さな声で

語りだす

何処かで聞いた

言葉を借りて

2006/12/10 (Sun)

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