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空白の部屋


[46] 知恵の缶詰
詩人:空白 [投票][得票][編集]

急に知らない

子たちと

一緒に

買わされた

缶詰

ラベルに知恵

お父さんと

お母さんは

ずっと笑ってた

嬉しそうに

ずっと

手に持たされて

いたから

好奇心から

開けてしまった

記号が溢れ

目の前で

式になる

触れたものが

次々変わった

地面が階段に

洋服は制服に

玩具は文房具に

どうすれば

いいのか

わからないまま

お母さんの目で

机に縛られ

無駄なものを

捨てられ

余裕がなくなった

見えてたものが

見えなくなって

頭に詰め込ました

要るのかどうか

解らない情報で

見えなかったものが

見えてしまった

視界は広がり

不思議さや

夢への

視力は落ちて

結局

その頃の僕等に

何を見せたいのか

解らないんだよ

文科省さん

僕は缶詰じゃなく

種が欲しかった

元からあるものを

詰め込むんじゃなく

自分で育てたかったよ

ねぇ文科省さん

僕等が

欲しかったのは

ゆとりじゃなくて

そうぞう力だったと

思うんだ

だって

今、見えるものを

美しいって

守りたいって

思えないから

2006/09/17 (Sun)

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