詩人:襤衣〜ランイ〜 | [投票][編集] |
醜い感情だなんて思わない
あいつがきらい
あいつがきらい
あいつがきらい
その怒りは焔となって 極印を焼き付ける
わたしの胸に。
あいつがきらい
あいつがきらい
あいつがきらい
消えてしまえ! と思うは罪ですか?
何故罪なのですか?
納得する答えを出してください
教えてください。
あいつがきらい
あいつがきらい
あいつがきらい
その苦しみは瘴気となって からみつく
わたしの喉に。
そして
それ故の怖さ
詩人:襤衣〜ランイ〜 | [投票][編集] |
元気ですか
その後 変わりはありませんか
親愛なる あなた
最終メールは
「メールアドレス変更しました」
そんな知らせだけでも …嬉しかったよ
ちょっと期待しながら送った返信は
ついに返ってくることはなかったね
電話番号だって
家の住所だって
何処の学校に行ったのかだって 全部知ってる
だけど…
それは知らないのと同じだよ
少しだけ茶色に染めていた髪の毛
はにかんだ笑顔
小さな私には とても大きく見えた あなたの背中
みんな みんな 目に焼きついて離れない
寒くなったね
体調など 崩していませんか
夏には強くても 冬にはめっぽう弱いあなただから
もしかしたら また 寝込んでいるのかもしれないね
もし
もしも
風邪とかひいて すっごく すっごく暇だったりして
でもって
気が向いたら
あなたの名前の表示がなくなったメールフォルダに
私宛ての
手紙を下さい
詩人:襤衣〜ランイ〜 | [投票][編集] |
・・・。
かしゃん
・・・。
床に落ちた グラスの破片を拾いながら
何処か遠くに心があるようで
夢か現かを ただただ 彷徨う
手に走った鋭い痛みで
やっと 自分に 戻る
静かに流れるクリムゾン・レッド
白い 白い 肌に
ゆっくり伝う 真紅の液体
心底美しいと思う
グラスに施された 文様は
わたしの お気に入りの一つだったけど
ひびが入って 粉々に砕けて
見るも無残
だけど
その鋭く突き出した そのガラス
何故 そんなにも わたしを惹き付けるの
何もない
虚無が この空間に広がって
真っ赤な生命だけが 意気揚々と光を放つ
器となるものは もう今にも崩れ落ちそうなのに
乳白色のまどろみは
わたしを 薄い繭で包み込む
暖かくて 優しくて 柔らかで・・・
・・・。
拾ったガラスを 新聞紙で丸め込み
そのままゴミ箱に 捨ててしまう
残ったカケラ
小さい 小さい 光の粒は
見向きもされずに 掃除機で吸われる運命で。
光であれるわけがないけれど
それでなくても わたしはカケラ
掃除機で吸われるだけの 小さなガラスの破片
そのまま光に反射されることもない
闇に消えて 闇に溶ける
乳白色の夢を見ることだけが
わたしに与えられた 自由
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弱い心を隠すからこそ
その周りを鉄で囲うのに
人には 強い心の持ち主だと思われる
見せ掛けだけのハリボテは
ほんの少しのことでも すぐに壊れてしまうから
内面の 柔らかい薄い膜に いとも簡単にたどり着く
そうなれば
中に溢れ返る 心のいろいろな感情が
ここぞとばかりに噴出してしまうから
それを悟られぬように、と
私はハリボテを また 鉄で囲う
たとえ 囲った内側が 錆びてぼろぼろになったとしても
表にメッキで加工がしてあるならば
誰にも気付かれることは無い
日に日に増える鉄の防壁
日に日に侵食する内面の錆
ああ、崩壊の日はいつだろうか