貴方は、来ない
ずっと待ってるのに。
凍えそうな荊の海に埋もれて
鋭いトゲを白い肌に食い込ませ
待ってるのに。
どこにいるの?
私のこと、忘れたの?
早く口づけをして
でないと、私は貴方のことを忘れてしまう
貴方が記憶から消えてしまうの。
貴方の姿
その腕の暖かさ
髪に絡まる指の感触
記憶を重ねて。口唇を溶け合わせて。
この眠りの海から掬いあげて。
ここへ、来て
心を血だらけにして待ってるから
待ってるから。
私を想い出にしないで。貴方を忘れさせないで。
待ってるから。
2004/09/18 (Sat)