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日月子の部屋


[20] 負け犬の手
詩人:日月子 [投票][編集]

えんりょがちに
恋をしていた

あなたの
差し伸べた手は
私が迷うくらいに

距離がありました


精一杯の
光だったかも

絞り出した
言葉だったかも


たくさん
人を乗せたバスが

二人の前を
通っていたので

なんとなく
気を取られて

あなたを
つかまえ損ねたのです




私が伸ばした手は

払うこともされず

握られることもなく

あなたの裾を

掴みそこねた



戻っておいで
あたしの

あたしの
負け犬の手



あの人は
もう

去ったのだよ…

2005/03/18 (Fri)

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