詩人:るどるふ | [投票][編集] |
久しぶりに帰ってきた
僕はあの日ここでうずくまってた
何かを失ったようで何も失ってないようで
晴れない胸のもやもやをどうしようもなくて
「青年期特有のアイデンティティーの崩壊だ」
言葉にするとなんてチープなんだろう
あの時から景色は変わらないで
変わったはずの僕をあの日に帰すよ
あぁあの時僕は泣きたかった
ただ無闇に泣きたかったんだ
泣けない僕はあの日とお別れ出来たのかな
今でも景色は変わらなくて
変わらない僕は変わった僕の中で同じ景色を見てる
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学校なんてさぼっちゃって自転車飛ばして海へ行こう
こんなに波がきれいなのは隣にいる君のせいかな
考えた途端恥ずかしくなって砂浜までかけてった
呆気にとられた君を残してめいいっぱいの踏み切りで海に飛び込む
なんだかとっても気持ちがいいな
こういうのもなんかいいな
君もテンションあがっちゃったのかな
だからってなんで砂を投げるかな
あぁ今日もかあちゃんに叱られる
けどまぁいいか
海がきれいで俺は楽しい
それでいいじゃないか
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電車は君の街から離れてく
一秒ごとに速度を上げて
僕の街は駅の案内板にものってなかった
いつものことで君は笑顔のさよならがうまくなったね
それに応えようと笑顔にしてみたけど
ごめん
まださよならは無理みたいだ
僕達の距離を埋めるのは多分努力なんだろう
愛に頼るとすれ違う
想いを焦がすと履き違う
君が君の街で一生懸命なら
僕も僕の出来ることをしよう
二人一緒に輝けたならお互い光を見失うことはないから
電車は僕の街に近づくよ
一秒ごとに速度を落として
僕が見つけた答えを胸に僕は僕の街で生きていこう
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自分に足りないもは何かっていつも足元ばかり気にしてた
拾ったものは手当たり次第背中のリュックに放り込んだ
気付かないうちにリュックはいっぱいになってて
けどまだ足りない気がしていつまでも探し拾い続けた
詰め込んだリュックは穴だらけで入れるより早く宝物は出てく
気付いたときにはもう遅かった
けど何がほしかったんだろ
そういやほしいものは落ちてなかった
拾い集めてたんじゃ何も始まりはしない
自分の中に確かにあるもの
拾うんじゃなく見つけなくちゃいけないものだったんだ
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僕はなんて幸せなんだ
とるに足らぬことで『最悪だ』と言う
道の途中で『もう後がない』と嘆く
世界には食べたくても食べられない人がいる
そんな遠い話じゃない
僕は僕の可能性を全うしようともしない
僕は多分幸せなんだろう
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ふと泣きたくなった
わけもなく意味もなく
何年ぶりかに頬をつたう涙
忘れてた
涙がこんなに温かいなんて
多分そうなんだ
涙で洗い流れる傷も
泣かないとカサフタになる
心に後が残る
多分そうなんだろう
今流れた涙は残った傷跡を流せただろうか
けど温かい
今はそれだけで十分
それだけで十分だろう
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雨の夜が好き
雨音が雑音を払う
曇り空が辺りを消す
雨の香りばかりが漂う
そして世界は僕だけになる
滴る雫の冷たさが何もない世界に僕だけを鮮やかに残す
僕は僕を知る
境界線の曖昧な昼の世界じゃ僕はあまりにおぼろげだ
僕は僕を取り戻す
そしてまた昼の世界が帰ってくる
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防波堤に座って沈んでく夕日を見てた
驚くほど早く落ちる夕日に君は目を赤く輝かせて「きれい」といったね
どれほど長い間僕らはこうしていただろう
すぐ近くにある君の手も触れられず
辺りが星達に包まれる頃には
二人の関係も少しは変わるかな
このままでもいい
このままじゃいけない
打ち寄せる波音に心を重ねてみても
砕け散るくらいならいっそ暗い夜の中へ…
けど近すぎる二人の距離がもう僕を許さない
今日はこのまま帰れない
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雨上がりの帰り道
雲を脱いだ太陽
足元には水溜まり
そこに浮かぶ深緑の葉
すべてが新しく生まれ変わったみたいだ
いくつもの雨が上がる度僕達は生まれ変わる
少し濡れた服を脱ぐ度に少し強くなるんだ
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月が目隠しをされたよる
天井は刻々と高さを増し
いつしか私は広い世界に一人横たわる
ほしいものはここにないもの
ここには何もないのだから
私は私を抱き締めて眠るしかない
広い広い四畳半の無限
月の目隠しが取れる頃
私に抱かれた私は夢を見るのでしょう