詩人:るどるふ | [投票][編集] |
僕たちは光る蛾だ
互いに互いの光を求めて寄り集まる
時に相手の姿に嫌悪し
時に自らの姿を憂い嘆く
それでも寄り集まってしまう憐れにもまばゆい蛾だ
ああ、光っていることを忘れているのだ
飛び込もうとする仲間が輝くように自らも輝いていることに
忘れているのだ
寄り集まることを恥じるあまりにその塊の光度の凄まじさに
蔑み卑しむあまりにその美しいまでのすばらしさに
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舞台で振る舞うボク役の僕
台本もないまま続く劇
観客の前でボロは観せられない
僕の演技はちゃんとしてる?
頬を伝う冷や汗に誰も気付いてないよな?
早く幕が引かないかな
このままじゃ潰れちゃうよ
舞台裏で戻るありのままの僕
台本のいらない日常
誰にも気兼ねしない振る舞い
けど、気付けば僕を見てるボクがいる
僕はボクらしく生きてる?
僕はボクをちゃんと知ってる?
もう幕が引くことはない
僕はボクであり続ける
僕はボクと一緒に生きていく
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君は忘れてしまったんだ
転ぶたび擦り切れる膝の痛みで
あの時掲げた夢の旗はいまでも右手でたなびいてるのに
でも大丈夫さ
何度転んでも確かに君はその旗を放さなかった
握った拳が無意識の産物でも
痛みに耐えたらまた歩きだせる
その旗をさすのはもう目の前だ
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君の為の歌はそんなに持ってないから
僕はいつだって同じ歌を歌ってしまう
調子っ外れのメロディー
声枯らした歌声
だからって聞き飽きたなんて言わないでくれ
いつまでも同じ気持ち胸に
いつか声が出なくなっても
歌を歌い続けよう
いつまでも同じ歌を
君は呆れて笑うかもしれないけど
これが僕ができる唯一攻撃かつ防御
君を愛し守るただ一つの手段
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時計の針はいつも僕の目を盗んで動いてる
小さい頃はそう思ってた
あの頃は時間さえ不確で
世界は伸縮自在なゴムみたいだった
今じゃ世界はビルディングだ
頑丈な常識に支えられたなんて快適な高層ビル
どちらが良くてどちらが悪い
こっちが正しくあっちが間違い
そんなことは大した意味を持たないけど
あの頃
確かに世界はゴムだったんだ
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僕にできることの多くが君にできることだとしたら
僕は君に何をしてあげたらいいんだろう
僕に言えることの多くが君が知ってることだとしたら
僕は君になんて言ってあげたらいいんだろう
この世界は広すぎて
僕だけしかできないことなんて
僕だけが言えることなんてホント一つもないんじゃないかな
「それでいいの」と君は言うだろう
「あなたがあなたで、そばにいてくれるだけでいいの」
僕も同じ気持ちだよ
「君がそばにいてくれたら、ただそれだけでしあわせだ」
だからこれで丸くおさまるのかもしれないけど
僕はなんて小さいんだって
僕はなんて拙いんだって
その気持ちがどうしても消えないんだ
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今日の一日は何のための一日だったんだろう
何もせずただ何となく過ぎていった時間
今日世界ではいったいどれくらいの人がその命を落としただろう
そんな悲劇の一日をただ無意味に過ごした
今日世界ではいったいいくつの新しい命が生まれただろう
そんな奇跡の一日をただ何となく過ごした
そんなことを考えてみただけ
ただふと考えてみただけ…
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愚痴りたいなら愚痴ればいい
弱音なんて吐きたいだけ吐けばいい
今のままじゃいけないとがんばった
変わろうとガムシャラに動いた
次のためのインターバルなら
愚痴でも弱音でもそれは次への準備だ
新しい一歩のための大切な小休止
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僕は黒を着る
黒のジーパン
黒のシャツに黒のジャケット
黒く光る革靴
黒縁眼鏡に黒髪と黒い瞳
徐々に汚れてくのを隠したいから
淀んでいく目の光を誤魔化したいから
夜の闇に紛れてしまいたいから
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何かを得るたび汚れていく
きれいだったあの頃に戻りたいような気もするけど
あの頃はあまりに知らなすぎた
ほしいものだけ手にしたいなんてわがままなのかな
純粋と無知
もうあの頃には戻れない
悲しみと喜びは捨てられない