詩人:るどるふ | [投票][編集] |
空はどこからが空なんだろう
飛行機が飛んでいるところ?
雲が漂うところ?
水平線が海と空とを分けるなら空は海とつながっていて
そこは僕が立ってるこの場所ともせう違わないはずだ
空は見上げなくても足元にもあるのかな?
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知らない街の知らない人たちの中で
僕は両手に抱えきれないほどの荷物を持って
白い息はきながら
痺れた手には荷物を食い込ませながら
ひたすら早足で歩いてた
馴染まない風に吹かれてると僕だけ違うもののような気がして
世界はつながっているからと夜空を仰いでみても
あぁここにはここに合った顔の空があるんだな
なんてことを考えちゃって
また行く先のちょっと前のアスファルトを見て歩きだした
さっきよりも少し早い足取りで
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何かを決行するときに必要なのは覚悟なんかじゃない
覚悟は最後の悪あがきだ
ほんのちょっと安心するためのもの
本当にそこに必要なのは要求でしかない
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ただ会いたいから
そのためだけにこんな距離を
こんな時間を超えて僕は行くのか
なんてロマンチズム
なんてセンチメンタル
端から聞いたら自分だって鼻で笑う
けど何かの理由にかこつけたって君は受け取らないのだから仕方がない
今の僕は素っ裸だ
あぁ車窓が室内灯を反射して僕を映し出す
不細工にほくそ笑んでる僕を映し出す
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誰もが皆自分っていうロウソクの明かり一つで真っ暗な夜を歩いてる
空には無数の星が輝いててあの星の下まで歩こうと決めて
何歩歩いただろう
どれくらい進めただろう
初めに目指した星を探すと不思議なくらい同じ場所にあってまるで距離は縮まってない
もしかして自分は足踏みしてただけなのか?
それとも同じところをぐるぐる回ってただけなのか?
そんなことない
それは自分が一番知ってるはず
流した汗の数が
歩き疲れた足の痛みが
確かに進んだことを証明してる
あの星があまりに遠すぎてぱっと見じゃわからないだけ
だから心配しないで
始まりの場所から見た君の明かりは
君が目指したあの星と同じくらい輝いて見えるから
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びしょぬれで寒さに凍える君
僕は何かしてあげたくて
やれタオルだ毛布だヒーターだと差し出すけど
反面僕は怯えてるんだ
『そんなものはいらないからあなたで私を温めて』
そこまでする気もないくせに
やれ炊きたてのご飯だとかあったかいスープだとか
最後の最後では君にまた冷たい水をかけることになるのに
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図体ばかりでかい僕は君に何ができるだろう
この枯らっ風の風よけくらいかな
ならせめてたくさん食べよう
よく寝よう
風よけが風邪引いたんじゃ話にならないから
僕が寝込んでる間君はこの冷たい風にさらされることになるから
いつも君のそばでせめて風当たりくらいよくしてあげよう