冬が寒いとみんな言ってた僕にはわからなかった僕は冬の住人だったからある日優しい誰かが出来立てのスープをくれたこんなものがこの世にあるのかと冷めてしまうことがもったいなくて恐くて一気に飲み干した僕は寒さを感じた身震いするほどのぬくもりを知ってしまったからこんなことなら気まぐれの優しさなんていらなかった冬から出なければ寒さなんて知らずにすんだのに嘆いてたって仕方がないこれからは自分でスープを作ってこういつか誰かに食べてもらうために
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