詩人:ちこ | [投票][編集] |
あなたは私に何をくれますか
愛ですか
地位ですか
名誉ですか
あなたは私に何をくれますか
不幸ですか
憎しみですか
苦しみですか
あなたは私に何をしてくれますか
頭を撫でてくれますか
涙を拭いてくれますか
体を抱きしめてくれますか
あなたは私に何をしてくれますか
声を塞ぎますか
希望を奪いますか
存在を消しますか
あなたはいったい何がほしいのですか
愛ですか
同情ですか
優しさですか
あなたはいったい何がしたいのですか
あなたはいったい何なのですか
私の心を揺るがし
私の平生をかき乱す
優しいふりをして 自分のことばかりじゃないですか
いつだって 保身が第一じゃないですか
どれだけ周りが傷ついているか
あなたにはわかりませんよね
どれだけ周りが悩んでいるか
あなたにはわかりませんよね
そんなあなたが 私は嫌いです
あなたの様な人間が 私は嫌いです
詩人:ちこ | [投票][編集] |
そこにいたのは一匹の子羊
寂しくて
寂しくて
一人ぼっちで
泣いていた
いつも
いつも
真っ赤に目を染めて
泣いていた
子羊はいやだった
自分の弱さを知られることが
自分の過去を知られることが
本当の自分を知られることが
だからいつも声を殺して泣いていた
だからいつも涙を流さず泣いていた
それはいつ覚えたのかもわからない
とても上手な泣き方
子羊は悲しかった
そんな自分が悲しかった
泣いて
泣いて
どこまでも走った
でも上手な泣き方はいつしか体に染み付いて
こんなに悲しいのに
それすら表せなかった
そんな子羊は心に鍵をかけた
上手く笑えるように
下手に泣けるように
自分に嘘をついた
新しい自分を創った
でも
なんだか寂しかった
本当の自分なんて大嫌いな筈なのに
どうしてか心が痛かった
みんなが見てくれないんじゃない
自分が見せていないのに
どうしてか悲しかった
新しい自分は上手に笑えるの
新しい自分は下手に泣けるの
それなのに
なんでだろう
なんでなんだろう
ただ怖かった
ただ怖かったんだ
こんな自分を知られるのが
でも知ってほしかった
誰かに見つけてほしかった
それは矛盾だらけのきれいな感情
「こんな私でも愛してくれる?」