詩人:黒烏 | [投票][編集] |
今 何をしていますか
ちゃんと 笑っていますか
苦しい時には 楽しい事を忘れないで
貴方の努力は
決して 無駄にはならない
訪れない春は ないのだから
今 幸せですか
自分らしく 歩いていますか
道を歩いていなくとも
路草食っても そこが森でも
舗装された道路だけが
道じゃないのだから
貴方の 信じた道を
詩人:黒烏 | [投票][編集] |
【ごめんね】
【今までありがとう】
――あれからわたしは微塵も変わってなんかいやしない
地球は回り
季節は移り変わる
思い出は溜め
心から溢れてゆく
わたしの中から君が居なくなっても
何が変わる訳でもなく
変わったとすれば、泣く回数ぐらい
でもそれはわたしが変わった訳じゃない
人は根本的に変われない質なのか?
きっと遺伝子1つすり替えたって
わたしはこんな性悪な人間だったろう
ならば変化とは何か
ただ時が過ぎ行き
アポトーシスを発動させ
細胞が死ぬのを待つだけじゃないか
その時は
笑って死ねる?
そもそもわたしは…
いや…やっぱ何でもない
結局
空に心預ける
いつになったら
涙は、強さに変わるのだろう
【変わらないのは、わたしにそれ相応のものが無いからだ】
【だから今暫く 時間を下さい】
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"The land of the living is going wrong,nonaggression,relative...substantal."
廃退的な旋律に躍り狂い
端から見ればメチャメチャで
でもわたしは超真剣で
ペッペッペッ ペッペッペペッ
ララララ ララララ
ロンララララロンララララ
変わらない日常を維持するのは
思いの外難しいんですにゃあ
だからわたしは今日も
ルーズリーフに書きなぐり泣きじゃくる
これは苦悩なんかじゃねェ
生きてる証拠だァ!
とね。
ペッペッペッ ペッペッペペッ
ララララ ララララ
ロンララララロンララララ
"You must let things take their own course,won't you?
You never see the truth,but,undoubtedly there is!"
ルーズリーフ丸め
ベランダから
身を投げた
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鞄肩提げ 帰り道
たちまち他人に紛れ込む
『わたしは ここだよ…』
息切れ 疲れ果てた
孤独な群衆
タニンの見えぬ圧力に
絶えず苛まれる
『わたしは どこにいるの…』
こんなにも容易く
自分を見失ってしまう
嗚呼 息苦しい
全身が泣き出しそうだ
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「明日、君は死ぬ事になる訳だけれど…」
「はい…覚悟は、出来ています」
英語教師がすれ違いざまに立ち止まり
深刻な顔をして私に話し掛けてくるものだから私はちょっと笑って見せた
誰も居ない曲がりくねったメタリックな廊下
誰も 居なかった
「私…怖くありません。
だって、仕方がないのでしょう?」
こんなにも元気だけれど
私は、明日死ぬのだ
何もそれは目の前の人のせいじゃない
彼は悲しげに頭を振り、去って行った
それから私は
その廊下沿いに並ぶ部屋のドアを一つずつ叩いて
別れを告げていった
色々な別れをした
皆泣いて悲しんだが
私は悲しくないのを不思議とも思わなかった
私は丁度手術室に入る外科医のようないでたちで、手術室に入ろうとしていた
この扉の向こうで、私は死ぬ
死ななければならない
死ぬのだ
本当に…
「準備は出来たか?」
あの英語教師が、耳許で囁いた
嫌な響きだった
身仕度はとうに出来ている
多分、心の方だろう
「はい」
嘘を、ついた
途端 今までの平静が嘘だったかのように
地震が起こった
「本当に…死ななければならないのですか」
「そうだよ」
「どうしてですか…?
どうしたら死なずにいられますか?」
手術室のドアが鈍い音を立てて開く
中には刃物を手にした人間が並び
手招きをする
い
嫌だ
死にたくない
訪れる筈だった時間が、
生の本能が、
真っ赤な叫びを上げる
死にたくない!
冷や汗を流し
叫び声を上げて私はベッドから飛び起きた
そして子供のように
明け方まで泣きじゃくっていた
【私、まだ生きてるんだ!】
病院は、ひっそりと
まだ寝静まっていた
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表情
しぐさ
歩き方
足音
話し声
視線
気付くと
全身で貴方を感じようとしてる
たまに目が合うと
思わず そらしてしまう
貴方にだけは 知られたくない
先の事考えて
どうしたらいいか わからないから
わたし 何がしたいんだろう
詩人:黒烏 | [投票][編集] |
(いつの日だったかは忘れてしまった)
(何せもう、随分前の事だったから)
(君がこんなにも干からびてしまう程に)
君の膓ほじくりかえして
愛の詩紡ぐ事幾年
数え切れぬ自己殺め
掻き暮らす程に
深い双眸に気付いたのは
血濡れた己が手を晒したが為
この手が厄生み出すならば
ちょんぎっておしまいよ と
愛おしげに寄せた唇こそ
白布の君 年経るうち
可哀想に
こんなにも軽くなってしまったね
愛しさ余り命失えど
君の為ならば
幾度でもこの身滅ぼそう
ひび割れた口づけ
断腸握り締め
湖畔 独り 思った
寒湖に心寄せ
君の躰を冷たい水に浮かべ
口にするは祈りの詞
『どうか魂だけでも
この先安寧多からんことを』
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久々に夜空を見上げた
今まで空が遠かった気がする
仰げど 仰げど
それは私には広すぎて
「見て 星が綺麗だよ」
指差した先 流星火
奇遇だね、すごいねと
あなた 笑っていた
きらきらと光る星々が
この想い映し 流れてく
いつか孤独癒したその空は
今はあなたへの思慕で 重い
『泣かないで』
『私が代わりに 泣くから』
流れ星は
夜の涙
これから先 私は
独りで泣けるだろうか
きらきらと光る星空に
ひとつ ひとつと流れ星
今も誰かが
誰かの為に 祈ったのだろう
今は過去と未来を繋ぐ為にある
あなたの言葉信じて
これからも 生きようと思う
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遥か彼方に社堂見上げ
風凪ぐ灯火の下 静けし
夕暮れ 二人を朱く染め
君影草 しあわせに笑った
『いつかまた この地で』
二人包んだ夕闇は
町の内奥へと差し込みつつ
黒く 嗤う
赤き禍事訪れし
さだめ引裂いだ其の日
しゃん しゃんと 揺れる
「さればお国の為。
僕はこの身捧げましょう」
「ああ、神様!
どうか彼を見放さぬよう!」
せめて後少しばかりと
彼の胸で
君影草 揺れた
[時の掟を 破りしは
我等共々 堕ちるのだ]
堕ちよ
堕ちよ
堕ちよ
堕ちよ
夜帷 縫い込め
風吹き荒んだ折
――白い箱に入り
ちいさなちいさな石ころになって
彼は 帰ってきた――
重い花つけた君影草
ぽきりと折れた
堕ちた
花伝う血涙 木箱すがり号哭
憎憎しと責めあぐ
彼の遺愛も無ければ
代わりの石ころ抱き
夜もすがら 這いずり廻る
「何が正しくて 何が間違っているのか
誰か 教えて下さい 誰か」
君影草は夜明けの篝火に紛れ
ただひっそりと 枯れていた
枯 れ て い た