詩人:黒烏 | [投票][編集] |
独り帰路に落つ橙赤の
太陽の影を背に映し
あの子と一緒に燃やしてしまった
見慣れた文字に目が霞み
「ごめんね」と「死にます」と
死は死してなお 二人を分かつ
「嗚呼 あの子を救って下さい」
つらいつらいつらいつらい
この苦しみこの痛みを知るがいい
憑きて纏うは虚ろな疑念
足を引きずる黒き瞻り
「逝きたい」と それでも「生きたい」と
泣いて叫ぶはいつかの己か
「嗚呼 あの子を救って下さい」
去ねば其処は安息の地なるや?
畦に散り 散る彼岸花
生き別れた葉に手をとられ
あなた想い 流れる言の葉
「死なないで 死なないで」と
泣いて止めるはいつかの友か
「嗚呼 あの子を救って下さい」
落つる涙は 誰が為
詩人:黒烏 | [投票][編集] |
『お前に何が分かるんだ』
これ程
無力になる言葉はない
そう、その通り
私は貴方の何も知らないからだ
私は自分の事だってよく分からないのだ
でも貴方の傍らにいる時
私の心は貴方の苦しみに呼応した
放って置いたら
貴方が貴方でなくなってしまいそうで
怖かっただけなんだ
忍びざるの心なんて、嘘っぱちだ
人は普通は、他人の苦しみなんかに興味はないんだ
『お前に何が分かるんだ』
(何も分からないお前にもう用はない)
(だから何処かへ消えてくれ)
私は何も分からないけれども
ああ貴方
せめてその心癒えるまで
詩人:黒烏 | [投票][編集] |
明日の命は淀みなく
それでも“また”と人の云う
For Evermore
幽かにまみゆ永劫回帰の軌跡
最果ての地には虚
『人はいつか、天国へ行くの』
蒼く濡れ 訊く双眸
一つ、肯定
【見えないものは 信じない?】
【神に魅入られ 真向かう先は?】
空の音に溶け込む藍
花だけが その答を知る
崇高なる苦痛よ 死を厭う苦痛よ
貴方には聴こえないの?わたしを絶え間無く追い掛け回す死の足音が!
“Cogito ergo sm” 安息は何処
この世界が無くなる時 それはきっとわたしが
闇が掻き抱く燈台望楼の彼方
堕ちよ 堕ちよと人身御供
手を伸ばす が 掴む事能わず
一片の希望 窩に落ち 溶け 消える
跡形もなく…
世の定めなど!
少女の為に、藍の花が泣いた
21回目の金木犀の香
抱き寄せた藍花 玉露
其の本質は 生か 死か?
有限は無限を推し量る
この世に畢りがあるのなら
見納めたのか
霰った藍 指 すり抜けすり抜け
いつだったろう
世界に色が差したのは
言葉に内奥が有ったのは
答を知るあの子はもう、何も言わぬ
最期の空 仰ぐ
其処に 何が在る訳でも無く
『貴方の…事…が…』
好き でした